
占いという分野において、独自の力で道を切り拓き、先駆者として占い業界を引っ張ってきたレジェンドたちに自らの半生を語っていただきました。 今、多くの人に親しまれている「占い」を形作った人々の生きざまや想いを深掘りしていきます。
あくなき探究心の塊
風水師
黒門
黒門さんから奇門遁甲や風水を学んだ生徒さんが、さらに次世代の育成に励むなど、黒門さん発の教えは確実に広がっています。
今回は、そんな黒門さんの開運に対する思いや、占いという枠を超えた新たなチャレンジについて迫っていきます。


占いは“診断”であり、“開運”は治療
最近の活動についてお話しすると、「人の運気を上げる」ということをテーマに、これまで以上に様々な視点からアプローチしていきたいと考えています。
いつも講師や鑑定をするときに頭の片隅に置いているのが、「占いは診断であり、開運は治療。診断と治療はセットでなければいけない」という考えです。占いは相談者の運勢を観て伝えることですから、「あなたは金運が悪い」「健康運が悪い」などと悪い結果を確認したり念押ししたりする要素のほうか強くなります。
診断はできたとしても、どうすれば悪いところがよくなるのかという点までは占いでは踏みこめないケースが多いのです。しかし私は、それだけでは十分じゃないと思っています。そもそも占いに訪れる人は、悩み事を抱えて何かしらの解説策を求めてやってくるのですから。
医者は、患者を診断して悪いところが見つかったら治療をしますよね? 占い師も同じように、運気が悪いとわかったら、運気を改善するためのアプローチを相談者に提供することが大事なのだと思うのです。
人の運気を向上させる重要な要素とは、「行動」ではないでしょうか。行動を変えるには、意識を変えなければなりません。しかし、意識は意図的に変化させられる部分もありますが、大部分は潜在意識の領域で意図的に変えるのは難しいでしょう。
そういった潜在意識の部分を変化させるために、占いを使って運気を観たり、風水で外部環境を整えたり、生活習慣や姿勢など全体的な視点のもとアプローチしていくことが重要になるのです。
具体的な例を挙げると、思い悩みやすい精神状態にある人に共通する姿勢があるといわれていたりします。運が悪い人は、運が悪い姿勢をしていると言ってもいいでしょう。整体やヨガを使ってこの姿勢を改善するだけでも、その人の意識を変化させて最終的に運気を上げることにつながるのです。
姿勢以外にも、食生活や住環境、人間関係などは改善のポイントになりますね。このような考え方をもとに、占いや風水に限らず、様々な視点から開運法を探っていきたいと考えています。もはや占いというよりも“総合格闘技”のような感覚かもしれません。

人相を変えて運気を上げる!? 占いを超えた開運のアプローチ
開運法について最近の具体的な試みを紹介します。そのひとつが、開運小顔施術学院です。
人相学では、人相を観るとその人の今の吉凶がわかるといわれます。だから、今の人相を変えれば運気もよくなるのではないか、という思想のもとスタートした取り組みです。人相術の第一人者である天童春樹先生に監修に入っていただき、整体の技術を駆使して人相を改善して開運の手助けをしようとしています。もちろん小顔にする施術も受けられますよ。
私自身、整体やカイロプラクティックについても勉強をしていますが、やはり、それぞれの分野にはより長けた専門家の方がいらっしゃいます。こういった専門家の方との協力が開運では必要不可欠です。開運小顔施術学院も、福井県福井市で長らくカイロプラクティックの治療に携わってこられた小柳猛先生(なごみの森ピュアローマ院長)に協力してもらって実現したプロジェクトなのです。
開運の考え方としては全ての分野を自分でできる必要はないと思います。ただ、運気を上げたいと思っている方に必要なアプローチを特定し、かつ、そのための能力のある専門家の紹介までできるという力があるとよりいいのではないかと思っています。
通常私は、風水師と名乗ってはいますが、実際のところは「開運師」だと思っています。人の運気を上げることをテーマに、これからも様々なチャレンジをしていきたいですね。

「人の運がよくなること」を探究したい…それが原動力
私自身、占いのみで生計を立てるようになって35年が経ちました。キャリアが長くなってきたこともあり、取材などで仕事のポリシーについて聞かれることが時おりあります。
ポリシーについてビシッと格好いいことが言えるとよいのかもしれません。しかし、こういった類の質問には実は少し困ってしまいます。
なぜかというと、私自身の感覚としては好きなことをやっているだけだからです。ポリシーや信念が先立つのではなく、まず「好き」というエネルギーがあります。ただ、人の運がよくなることを調べるのが好きで、それをずっと続けている。これはサラリーマン時代に古書や海外の原書を読み漁っていたころから変わらない私の姿勢です。
今ではその興味の範囲が占いや風水に留まらないので、より幅広いことを勉強し、開運のために有益なことを世に広げているということです。
これまでを振り返ってみて気づいたのですが、「新しいことをはじめるのが人よりも早い」というのも私の仕事の特徴かもしれません。「これだ」と思うものにはとにかくチャレンジしてきました。その結果として、まだ誰も手を付けていないことも実行できたのだと思います。
インターネットを活用した通信講座も人よりも早い1997年からスタートしました。先ほど紹介した人相の改善による開運もまだ他の人が手をつけていない分野のひとつと言えると思います。
この他にも、YouTubeもまだユーチューバーという職業が定着する以前の2012年に参入しています。当時はまだ収益化ということがあまり意識されていなかった時代でしたが、仕事への導線として役立ちました。
そして実は今もまた新しいことを勉強しています。
こちらは、何年後に公開できるかもまだわかりませんが、きっと多くの方のお役に立てる形で紹介できるようになるはずです。
今後も変わらずに私が好きだと思えることの研究を楽しみながら続けていきたいです。そしてそれが、結果的に多くの人を幸福にする仕事につながるのではないかと思っています。
>>第1回:日本中の専門書を読破!? 占い師になるまで勉強の日々/黒門
>>第2回:学ぶ側から教える側へ、風水師としての転機とは?/黒門
2023-3-12