
占術家だけでなく、各ジャンルのプロフェッショナル総勢28名が登壇し、大盛況で幕を閉じたオンラインイベント「占いギャザリング~占いの現在・過去・未来~」。トークセッションは全部で13枠、9時間におよんだその内容を紹介しましょう。
「リアルとオンライン」
- 岸穂子(原宿占い館「塔里木」代表)
- 千田歌秋(占いカフェ&バー燦伍オーナー占い師)
- 石田英紀(株式会社cocoloni)
家業が占い館という特殊な環境に生まれ育った岸は、占い業界にオンラインツールが導入される様を目の当たりにしてきた。コロナ禍ということもあり、創業以来はじめてオンラインにも力を入れているが、対面鑑定をオンラインで再現しようとすることには無理があるという。直接会えば五感から膨大な情報を得られるがオンラインでは制約があり、向き不向きがあると千田も同意した。他の占い師と切磋琢磨する環境がないので、オンラインの方が意識やモチベーションの維持に工夫が必要ではないかという。オンライン講座が増え、講師や学びに選択肢が広がり、オンライン参入は障壁も低いので占いの裾野が広がっている。副業占い師も増えたが、お客様にとっては専業副業の区別はないので、プロ意識を持って仕事することが肝要であると締めくくった。
「タロットの源流
〜生命の木とはなにか」
- 伊泉龍一(占い・精神世界研究家)
生命の木の第一人者である伊泉龍一が、タロットの源流となる「生命の木」をわかりやすく解説したセッション。生命の木は占星術が当たり前だった時代の人が考えた心理学のようなもの(ユダヤ教のカバラ)をあらわしていて、世界を説明するための地図であるという。そこから宗教的あるいは空想的な要素をとりのぞき、いまを生きる私たちが理解できるリアル表現で解説していくのがこのセッションの目的である。生命の木の10の丸は私たちの日常の精神活動をあらわすという。空想したり、意識的に考えたり、感情が動いたりするなどがそれに当たる。生命の木を学ぶことは固定観念の外に出ていく試みである。難解なイメージのある生命の木が身近に感じた聴講者も多かったのではなかろうか。
「YouTubeと占い」
- Hoshi(占術家)
- マドモアゼル・愛(西洋占星術家)
- 田中泰延(ひろのぶと株式会社代表)
10万人以上の登録者数を誇るマドモアゼル・愛と手相を中心に発信するHoshiから田中泰延がYouTubeで成功する秘訣を聞き出した。Hoshiの場合、視聴者の年齢層が他のSNSより高く、身近に感じてもらいやすいので鑑定依頼につながりやすいことが特徴だという。登録者数1万人になるまであきらめずに試行錯誤しながら継続すること、形だけとりつくろったとしても視聴者にばれるので、変にかざらず本心をそのまま伝えること、など実践者ならではの具体的なアドバイスが飛び出した。「占いで出ている」と付け加えることで、話題の幅が広げられるのも占いYouTubeの強み。他のSNSより影響力が大きいので、無名な人ほどやってみるべきだというマドモアゼル・愛のエールでセッションは締めくくられた。
「占いとは何か」
- SUGAR(占星術研究家)
- 木内昇(小説家)
最後のセッションは「占いとは何か」という大きなテーマを掲げられた。話者は占星術研究家のSUGARと、直木賞作家の木内昇。大正末期の女性を描いた木内の新作「占」を通じ、近代人の悩みとしての恋愛論を語った。効率を重んじる近代でも合理的にいかない恋愛だからこそ、占いが求められるのではないか、という。さらに鏡リュウジを交えた鼎談になると、自分でコントロールできないものに対してどのように向き合うか、ということについて、男女の感性の違いも含めて語られた。占いは総合芸術なので、占術的な技術と美的センスの双方のバランスがあって、はじめて健全に受け入れられ得るのではないか、というSUGARの結論は、「占いとは何か」を語ってきた1時間の中で、ひとつの答えになったように思われる。
占術家と他分野のプロフェッショナルたちとの邂逅が生み出した、あまりに刺激的な化学反応。トークセッションでは、かつてないほど占いというものを深堀りし、多様な角度から光が当てられました。占いの新たな可能性を感じずにはいられない、あっというまの9時間でした。
内輪話はどうか、と
レポートっていうか、あらすじ?
当日、拝聴させていただきました。が、本当に内容が濃くて…。仕事の片手間にと思ってつけていたんですが、仕事が手につきませんでした。
「虎の穴の秘密」での、伝わる言葉を使うっていいですね!
当日も視聴させていただき、アーカイブでも楽しんでます!
ギャザリング参加したかったけど平日だったのとちょっと気軽に出せる金額じゃなかったのが…。暮れの酉さんのセッション聞きたかったです。1セッションづつでの販売とかしてくれたら買ったのですが。