占い師はキャラづくりをしたほうがいいですか?

占いをなりわいにしている人が抱える悩みや不安。一人で考えても解決しないことも多いでしょう。これまで多くの占い師の相談にのってきた、占いカフェ&バー「燦伍(さんご)」のオーナー占い師である千田歌秋さんが、あなたのお悩みにお答えします。

第1回

占い師はキャラづくりを
したほうがいいですか?

まず最初に「占い師にとってキャラづくりとは何か」ということを押さえておきましょう。キャラとはキャラクターのことで「人の持つ特徴や性質」を表します。キャラクターというものは本人が意識していなくてもにじみ出るものですから、キャラづくりというのは、それを意識して演出することであると言えそうです。 今回のご質問は、占い師として活動をするにあたって、自分の特徴や個性を意識的に演出するべきか、ということになるでしょう。

結論から言うと、答えはイエスです。

キャラづくりをするべき理由は、キャラづくりをしなかった場合のデメリットを挙げることで理解していただけると思います。

キャラづくりを
しなかった場合の
デメリット

キャラづくりをしなかった
場合のデメリット

キャラづくりをしないということは、自分らしく自然体でふるまうということになりますから、それ自体大きなメリットがありそうですよね。キャラをつくろうとするあまり、不自然になったり、余計な力が入ってしまったりする事態を防ぐこともできます。

 

ですが、キャラづくりをせずに素の自分をお客様や関係者にさらすということは、そのメリットをくつがえすほど大きなデメリットをこうむる可能性があります。それが起こるのは、心ない言葉を投げかけられたとき、誹謗中傷を受けたときです。

占い師は少なからず人気商売の側面を持っていますから、顧客に(場合によっては同業者にも)気に入ってくださるファンと、あなたに不満を持つアンチの両方を抱えることになります。占い師を長く続けていると、ネガティブな感情を持った人からの批判やクレーム、時には根も葉もないうわさや誤解による非難を経験することになるでしょう。

こんなとき、キャラづくりをしていないと、まるで自分が攻撃されたような気分になり、ダメージをじかに受けてしまいます。

キャラづくりをしないということは、パンチの危険にさらされているのにガードをしない状態である、と言っても過言ではありません。

キャラづくりは
自分を守るためにも
必要

キャラづくりは
自分を守るためにも必要

一方、キャラづくりをしておけば、占い師としての自分が非難されただけなのだと、割り切ったり切り離したりすることができます。多少のショックは残るかと思いますが、ガードの上からもらったパンチのようなもので、ひどいけがにはならないでしょう。そして仕事を終えれば、占い師の名前と看板を下ろし、仮面や衣装を脱ぎ捨て、気分をリセットすることで素の自分を復活させることができます。こうして無事に、占いの場からプライベート空間に帰り、平和な日常生活に戻ることができるのです。

キャラづくりのコツ

キャラづくりをするときのコツにも触れておきましょう。

キャラというものは人が見て感じるものですから、相手にわかるように演出する必要があります。自分の特徴や個性を把握して、それを見てもらいたい形で見せるのがキャラづくりの基本なので、自分の特徴や個性など何もない、打ち出し方がわからないという人は苦労しそうです。

でも、個性とはひねり出すものではなく、にじみ出るものだったはず。誰かがあなたを見て感じた個性を、ただ強調すればいいのです。友達や知人に、あなたの個性や特徴を見つけてもらいましょう。その要素をさらに強めた人物の役割を演じるだけで、立派なキャラづくりになるでしょう。

キャラづくりとは、個性を無理やりデフォルメしてキャラを立てるような派手な演出ではなく、個性をわかりやすくお客様に見せるための地味な工夫なのです。

私たち占い師がキャラづくりをする理由は

  • 心ない言葉のダメージを直接受けないため

であり

  • 公私の切り替えのため

でもあります。ですから

  • 占い師名は本名にせず

  • SNSなどのアカウント、電話、メールアドレスなども、占い師用とプライベート用で分ける

キャラづくりの本質は占い師としての自分の魅力のアピールというより、プライベートの自分の身をストレスから守ることにあるのです。

2021-07-01

著者プロフィール

千田歌秋(せんだ・かあき)

千田歌秋(せんだ・かあき)

占いカフェ&バー燦伍(さんご)のオーナー占い師であり、バーテンダー。飲食と占いの融合とホリスティックな癒しをテーマに、占い鑑定と開運メニューを提供。店舗経営と占い鑑定のほか、占い師の育成やマネジメント、占いイベントの企画監修も行うなど、様々な占い事業を展開している。
著書に「ビブリオマンシー 読むタロット占い」(日本文芸社)、「はじめてでも、いちばん深く占える タロットREADING BOOK」(学研プラス)がある。

HP https://khakisenda.wixsite.com/eranos

Share

記事をシェアする

guest
3 Comments
Inline Feedbacks
View all comments
あかね
あかね

自分を守るためのキャラ作りって、とってもしっくりきました。
リアリティや自然体を重視する方が良いのかなと思ってましたが、予想外の言葉を投げつけられると無駄に傷ついてしまうし…
占いを提供する側として、いつも冷静な判断をするためにキャラがある方がいいんだなと思います。

バード
バード

どういった場面でも、”言葉”の使い方は大切ですね。自分にも、相手にも影響しますし。こういった工夫で身を守るのも、続けるためには重要なことですよね。

かたやす
かたやす

キャラづくりって難しいですよね。変にキャラを作ってしまうと自分が引っ張られたりするなとも感じています。確かに攻撃されたりすることもあるのですが、それはキャラを作りすぎたからか?と逆におもったりも。でも自分もプライベートとわけたほうが良いというのには賛成です。

この連載の記事

Others

配信中の記事