鑑定依頼が来ない…お客様を増やすコツは?

――占いをなりわいにしている人が抱える悩みや不安。1人で考えても解決しないことも多いでしょう。これまで多くの占い師の相談にのってきた、占いカフェ&バー「燦伍(さんご)」のオーナー占い師である千田歌秋さんが、あなたのお悩みにお答えします!

今回は、1月12日に配信したスペース「もっと対面鑑定をしたい…お客様を増やすコツ “ならでは”お悩み相談室」をもとにお届けします。

第19回

依頼が来ないのは、なぜ?
対面鑑定のお客様を
増やすコツとは

「個人でお客さんを集めて対面鑑定をしています。今のままでは収入面に不安があるので、もっと鑑定数を増やしたいと思っています。どうすれば、鑑定依頼を増やせますか?」

この相談をくれた方は、個人で対面鑑定の募集をかけているけれど、なかなかお客さんが集まらないといった状況にあるようですね。

最近は、占い師として個人活動を始めた方がブログやSNSを使って集客を行ったとしても、以前よりお客様が集まりにくくなったように感じます。コロナ禍以降、占い師になる人が大幅に増えたのが原因でしょう。ライバルが大勢いる中で競争しなければならないのですから、普通に活動しているだけではお客様を増やすのも難しいはずです。

そんな厳しい環境でお客様を増やすにはどうすればいいのでしょうか?

対面鑑定とは何か

対面鑑定とは何か

「対面鑑定」とは、リアルの場で実際にお客様と向かい合って鑑定することです。電話やウェブなどのオンライン鑑定については除外して考えていきます。

対面鑑定は、鑑定のスタイルによってイベント系・非イベント系の2種類に分けることができます。イベント系とは、文字通り、企業や個人が開催するイベントへ占い師として参加する、通常とは違う期間限定のお祭り感のある鑑定です。

もう一方の非イベント系は、占い館に所属したり、カフェやレンタルルーム、自身のサロンなどを使ったりして定常的に行う鑑定のことをいいます。

新規顧客の獲得は
1~2年で成果が出る
とは限らない!

新規顧客の獲得は
1~2年で成果が出る
とは限らない!

では、それぞれについて、お客様を集める方法についてお話ししていきます。

まず、イベント鑑定の場合は、できるだけ集客力の高いイベントを選んで出店することが重要です。ブース代を払って出店する場合、そのイベントの趣旨や開催場所、どんなお客様がどのくらい集まるかなどしっかり調べて決めましょう。

占いのイベントに限らず、フリーマーケットや商店街のお祭りなど気になるイベントがあれば主催者に問い合わせてみることです。「占いの出店はできますか?」「条件は?」「いくらかかりますか?」「どのくらいの人が集まりますか?」などと積極的に質問してみましょう!

イベント活動は人目に付きやすいので、知名度も高まり人脈も広がるでしょう。別のイベントに誘われたり、新しい仕事のオファーにつながったりすることもあります。イベントの少ない地域で活動している方は、自分で企画するのもおすすめです。

占いの館などに所属する場合も、館が集客を担ってくれますので、やはりイベントと同様に集客力の高い館を選んでください

SNSやブログなどを使って個人でお客様を集めるなら、単なるフォロワーではなくファンになってもらうことが重要です。最初に述べたように、占い師の数が激増している今、ライバルたちに埋もれてしまわないためには、思い切った戦略が必要になります。お客様から見て「あなたでなければならない理由」を作るのは、簡単ではないのです。

そうやって新規顧客の獲得のために活動を続けても、1~2年で成果が出るとは限りません。オンラインでファンになってもらってから対面鑑定を実現させるまで、長い時間がかかることもあります。長期スパンを想定して、地道に続けることで徐々に成果を感じられるようになるはずです。ですから、すぐ結果を出したい方は、対面鑑定だけに絞ったり、対面鑑定をメインにしたりするのはおすすめしません。

集客のカギはクチコミ
紹介で
お客様を増やすコツ

集客のカギは「クチコミ」
紹介でお客様を増やすコツ

対面鑑定のお客様を集める上で、最も力を入れたいのは「紹介」です。「紹介」とは、一度鑑定を受けたお客様が、家族や友人、職場の同僚など身近な方へ推薦したり感想をシェアしたりして、それが鑑定依頼につながることをいいます。いかにして「紹介」してもらうか、ここに焦点を絞って考えてみましょう。

対面鑑定はリアルの場でお客様と向き合い、1対1の濃密な体験を共有できるという強みがあります。感銘を受けるような体験をしたら、誰かに話したくなりますよね? そして、身近な人からおもしろおかしく体験談を披露されたら、自分もやってみたいと思うはずです。

そうやってクチコミをしてくれるだけでなく、「一緒に行こうよ」と身近な人を誘って再訪してくれるお客様はとてもありがたい存在です。特に、社交的で友人の多い方は、たくさんのお客様を連れて来てくれるはずです。一人で鑑定を受けに行くのは勇気がいるので、マンツーマンの対面鑑定だけではなく、数人でも訪ねることができる環境や雰囲気を作っておくのもいいでしょう。

「占い体験」というパッケージでお客様の心をつかむ!

「占い体験」というパッケージでお客様の心をつかむ!

では、どうすればこのような紹介を増やせるのでしょうか?

いい鑑定をしてお客様に満足してもらうことを目指すのはもちろんですが、それ以上に、「占い体験」というパッケージを意識することが大事になります。鑑定をやって終わりではなく、お客様が鑑定の場に足を運び、鑑定を受けて帰るまでの、一連の占い体験を提供するという意識を持つことです。

例えば、鑑定場所は、どんなエリアにあるか、インテリアや明るさ、音や匂いはどうかなどを考えてみましょう。利便性や雰囲気、その場所でお客様が安心して鑑定を受けられるか、といったことにも気を付けてみてください。また、占い師の持ち物や身に着けるもので世界観を伝えることもできますし、話し方や所作、声のトーンやリズムなども重要です。お客様の五感に訴える演出をしていきましょう。

私の場合は、麻布十番の隠れ家バーで、タロットモチーフのカクテルを飲みながら、占いを楽しむことができる環境を活かして、友達を誘って行ってみたいと思ってもらえるような、上質で洗練された占い体験を提供することを目指しています。

上記以外にも、鑑定予約のしやすさや決済方法の多彩さ、問い合わせをしやすい雰囲気、温かいお見送り、ちょっとしたお土産など、あらゆることが占い体験のパッケージとして演出できる対象といえます。自分が何をどう演出するかが、占い師過多の市場の中で自らの独自性を磨くことにつながっていくのではないでしょうか。

最近では、名刺や鑑定書などオリジナルのヴィジュアルイメージを活用した結果、リピーターやクチコミ経由の新規顧客が増えたというお話もよく聞きます。ぜひみなさまも、お客様にとって価値のある「占い体験」を提供できるようどんどん工夫していきましょう!

2022-1-26

著者プロフィール

千田歌秋(せんだ・かあき)

千田歌秋(せんだ・かあき)

占いカフェ&バー燦伍(さんご)のオーナー占い師であり、バーテンダー。飲食と占いの融合とホリスティックな癒しをテーマに、占い鑑定と開運メニューを提供。店舗経営と占い鑑定のほか、占い師の育成やマネジメント、占いイベントの企画監修も行うなど、様々な占い事業を展開している。
著書に「ビブリオマンシー 読むタロット占い」(日本文芸社)、「はじめてでも、いちばん深く占える タロットREADING BOOK」(学研プラス)がある。

HP https://khakisenda.wixsite.com/eranos

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