占い師に求められる才能と努力とは/タロット占いの第一人者・ステラ薫子

占いという分野において、独自の力で道を切り拓き、先駆者として占い業界を引っ張ってきたレジェンドたちに自らの半生を語っていただきました。
今、多くの人に親しまれている「占い」を形作った人々の生きざまや想いを深掘りしていきます。

タロット占いの第一人者

占い師

ステラ薫子

世界中で親しまれるステラタロットを制作し、日本と韓国を行き来しながら精力的に活動するステラ薫子さんですが、弟子たちの活動をサポートするなど、占い師の育成にも力を入れています。
そんなステラ薫子さんに占い師に求められる資質について語っていただきました。

レジェンドの足あと 年表・ステラ薫子
レジェンドの足あと

後輩占い師に道をひらく
占いカフェや講座などの事業を展開

私の鑑定は、クライアント1人あたり3時間ほどの長丁場です。まず占星術で過去や未来を占い、それから、問題解決のために今後どんな行動を取るべきか、タロットで導いていきます。クライアントがすぐ行動に移せるようにアクションプランまでしっかり提案します。

今もこのスタイルで、1日に3名の方を占う日々を続けています。3名を占うと計9時間、決して短い時間ではありません。こういった鑑定の仕事を全うしながら、もうひとつ力を入れているのが弟子の育成です。

これまでも、タロット占いの基礎を教える講座を開講したり、私が監修をして弟子たちが占う「ステラコール」というサービスを提供したりしてきました。また、弟子たちに経験を積ませる場所として、2009年に占いカフェをオープンさせました。この試みは、千田歌秋さんが「占いカフェ&バー燦伍」というスペースを麻布十番に作って引き継いでくれています。

日本でも韓国でも、弟子を育てるという視点は常に私の中にありました。ありがたいことにたくさんの方が、占いを教えてほしいと私の元を訪れてくれます。また、この記事を読んでくれている人の中にも占い師を志したいと思っている人もいるのではないでしょうか。

レジェンドの足あと

占い師たるもの、
常にタロットカードを
持ち歩くべし

すでに占い師の道を進んでいる人や占い師を目指す人で、もっとタロット占いのスキルを上げたいという方には、いつでもどこでもタロットカードを持ち歩くことをオススメします。タロットカードは重いので持ち歩くことは容易ではないかもしれません、それでも常にカバンの中に忍ばせておく、これが占い上達の秘訣です。

これがなかなかできなかったりします。私の弟子に「今日タロットカードは?」と聞いても「家に置いてきちゃいました」と言われることもしばしば。実践を重ねて鑑定経験を増やすことが上達の近道ですから、占いをすべきときにタロットカードを持っていないというだけで経験を積むチャンスを逃しているようなものです。

もちろん私も、常にタロットカードを持ち歩いています。そのおかげで、いつもカバンが重いのは悩ましいですね。とはいえ、カードが手元にあってもすぐに占えない局面もありますから、そのときは「今日はタロットカードを持ってきてません」と、角が立たないようにお断りしています。

より深くリーディングを行うには、タロットカードと一体になるというイメージを持つことも重要です。絵柄をよく見て、そこに表現されている世界観をしっかり捉えましょう。 本に書いてある情報を丸暗記したり鵜呑みにしたりするのではなく、カードに描かれているシンボルを自分自身の身体に取り込んでいくことを意識してみてください。

その際、カードの意味にとらわれすぎないことも重要です。矛盾するようですが、勉強すればするほど、マニュアル的なカードの意味に縛られて占いが当たらなくなりますから。

レジェンドの足あと

お客様が占い師を育てていく
鑑定経験が成長のカギ

私が占い師として活動するうえで大切にしているのは「お客様と向き合うこと」です。

例えば占いをする際、相手の顔を見ずにずっと下を向いて鑑定をしている方はいませんか? これでは、相手を無視した独りよがりの占いとなってしまうでしょう。お客様の顔を見て、感情や本音に耳を傾けること、相手に興味を持つこと、それが重要なのです。

私の場合、相手が目の前に座った瞬間に「この人はどのような占いが必要なのか」を考え、生年月日などの情報を記入してもらっている間に色々なシミュレーションをしています。 最初の30分は私が話しますが、ただ黙々と話しているわけではありません。どのような言葉が刺さって、どのような言葉が刺さっていないのかをよく見ながら話しています。そして、タロットカードを使いながら具体的な悩みの真相に近づいていくのです。

相手の話をよく聞き、表情と反応を見て、かけてあげる言葉を選ぶ、こうやってお客様としっかり向き合うことで、占い師の能力は磨かれていきます。地道に経験を重ねるうちに、相手の言葉に隠された本音を読み取れるようになったり、相手の心に届く言葉の引き出しを増やしたりできるようになるはずです。

占い師を育てているのは、実はお客様なのです。特に占い師を成長させてくれるのは、真剣に占いを求めているお客様です。お互いが真剣だからこそ、鑑定を通してお客様から学ばせていただくことも多いのではないでしょうか。

正当な対価を支払って占ってほしいというお客様は、真剣に占いを求めている方だと思います。そういったお客様と誠実に向き合って、幸せにすること、成功に導くことが結果的に自らの成長にもつながると私は信じています。占い師を目指すみなさまは、どうかお客様との対話の時間を大切にしてくださいね。

>>「第1回」占い師として生きていくと決めた瞬間/タロット占いの第一人者・ステラ薫子
>>「第2回」「ステラタロット」が世界中でヒットした秘密/タロット占いの第一人者・ステラ薫子

 

2022-12-25

出演者紹介

ステラ薫子(すてらかおるこ)

ステラ薫子(すてらかおるこ)

愛とパワーあふれるメッセージで女性を幸せに導く大御所占い師。

幼少の頃より霊感に優れ、数々の怪奇現象を体験する。西洋占星学、タロットを独学で習得し、日本を代表する西洋占星学、タロット占いの第一人者となる。その驚異的な的中率と依頼人の運命を好転へと導く的確なアドバイスには定評がある。日本はもとより広く韓国など海外のメディアからも注目を集めている。

韓国や日本で公開されたドラマ「魔王」で物語のキーとなるタロットカードもステラ薫子のタロットが使用されるなど、人気と注目が高まるきっかけとなる。主な著書としては「婚期は12年に7回やってくる」や「One Oracle Tarot」(竹書房) などがある。
その他「女性自身」(光文社)、「GLOW」(宝島社)をはじめとする雑誌の連載、ウェブやモバイルのコンテンツ・サービスをはじめ、独自の占いロジックをシステム化したスマートフォンアプリや、オリジナル運気アップグッズの販売など幅広い活動を展開している。

HP:https://stella-kaoruko.com/

記事執筆者

菅谷圭祐(すがやけいすけ)

菅谷圭祐(すがやけいすけ)

ライター業とリサイクル業の二刀流で生計を立てています。机に向かって文章を書いたり、大きい荷物を運んだり、頭と体を日々フル活用しています。

Share

記事をシェアする

guest
0 Comments
Inline Feedbacks
View all comments

この連載の記事

Others

配信中の記事