気軽に話せる仲間が欲しい…占い師同士のつながりを広げるためには?

――占いをなりわいにしている人が抱える悩みや不安。1人で考えても解決しないことも多いでしょう。これまで多くの占い師の相談にのってきた、占いカフェ&バー「燦伍(さんご)」のオーナー占い師である千田歌秋さんが、あなたのお悩みにお答えします!

第16回

占い師同士のつながり
を広げるためには?

「オンライン講座などで占いを勉強中ですが、ほかに占い師の知り合いがいません。占いについて気軽に話せる相手が欲しいのですが、どうしたら横のつながりを広げられるでしょうか?」

2020年から猛威を振るったコロナは、占い業界に二つの大きな変化をもたらしました。

一つは、リアルからオンラインへの移行が進んだことです。特に講座に関しては、遠方の人も参加しやすく、会場を借りなくても済むことから、一斉にオンラインに切り替わっていきましたね。そのため、占いを学ぶ機会も飛躍的に増えました。ちなみに私が開催する講座も、コロナ禍以前はリアルのみでしたが、コロナ禍の2年間、今のところ講座はすべてオンラインです。今後はリアル講座も復活するでしょうから、学びの機会はますます増えるかもしれません。

もう一つは、占い師になる人が急増したことです。占いを学ぶ機会が増えたことに加え、リモート鑑定のサービスや占いを出品できるプラットフォームなど、オンライン占いの仕組みが発展したことも追い風となりました。タロットカードや占い本の売れ行きが好調で、趣味で楽しむ人も増えていますが、仕事にしたい人が大変多くなっているようです。資格も経験も不要で、在宅で気軽にできる副業として、挑戦しやすい仕事だからでしょう。

占い師の先輩や仲間から
学べることは多い

占い師の先輩や仲間から
学べることは多い

この記事を読んでいる皆さんの中にも、オンラインの波にうまく乗ってデビューした方も、占い館を辞めてリモート鑑定中心にした方もいらっしゃると思います。

今回の相談者の方も、オンライン講座で勉強しているということで、おそらくリアルでほかの受講生とともに学んだり、占い館でほかの占い師さんとご一緒したりする機会があまりないのだと思われます。こういったリモートを中心に活動するフリーランスは、自分の学びと仕事に集中できる反面、横のつながり(縦のつながりも)広げることが難しいという弱点があります。

一人で活動することのメリットもたくさんありますが、デメリットとして挙げられるのは、切磋琢磨する仲間がいないことと、狭い世界で閉じてしまいがちなことです。人と会って意見交換をしたり、共同作業をしたりすることで起こる化学反応を、なかなか体験できないのです。

先輩たちから学ぶことはたくさんありますし、仲間がいるから励まし合ってがんばることができるのです。こういったことが精神に好影響を与え、大きな成長をもたらしますから、横のつながりは欠かせません。

フォロー&「いいね」は
つながりをつくる
ための第一歩

フォロー&「いいね」は
つながりをつくるための第一歩

では、横のつながりを作るために、何をすればいいでしょうか。これはいたってシンプルで、オンライン、あるいはオフラインで人に話しかけるのがもっとも効果的です。やり方としては三つのパターンがあると思います。

まず一番簡単にできるのが、SNS作戦です。

TwitterやInstagramなどで興味を持った占い師をフォローして、「いいね」などをして名前を覚えてもらいましょう。大体の人は、いつも反応してくれる人のことは気になってプロフィールなどをチェックしにいきます。そこであなたと気が合いそうと思えば、つながってくれるかもしれません。

丁寧にフォローバックのお礼を述べたり、相手の気に入りそうな話題をシェアしたりして、絆を少しずつ深めていきましょう。くれぐれも慎重かつ謙虚に、仲良くなりたいという思いを優先させずに、相手のペースや距離感に合わせることが重要です。

オンラインの講座では
積極的に発言を!

オンラインの講座では
積極的に発言を!

二番目は、オンライン作戦です。オンラインのイベントや講座に参加することがあれば、そこにも大きなチャンスが眠っています。主催者の意向をしっかりと理解して、邪魔にならない程度に積極的に発言するといいでしょう。

もし自己紹介をする機会に恵まれたなら、遠慮がちな挨拶ではなく、面接されているつもりでその場に合わせたアピールをしましょう。

また、真っ先にいい質問をすることで、主催者と関係者、スピーカーや講師に覚えてもらえますし、受講生にも頼もしい仲間という印象を与えることができます。

そういったことを積み重ねていくと、相手から声を掛けられるケースも出てきますし、いろいろな人とつながっていくことができるでしょう。

リアルの場で交流したら
その後のフォローも
忘れずに

リアルの場で交流したら
その後のフォローも忘れずに

三番目はオフライン作戦です。リアルの場は直接会って話すことになるので、オンラインの場よりもはるかにつながりやすいでしょう。 交流会、勉強会、講座、セミナーなど占い師が集まるようなところに、名刺を持って積極的に顔を出しましょう。少人数の集まりであれば、会った人全員と話すというミッションを自分に課してください。

ここでも自己紹介が非常に重要になります。TPOに合わせた自己紹介フォーマットを作っておくのがおすすめです。

また、会ったその場でSNSなどのフォローをすると、帰宅後や後日のご挨拶がスムーズにできます。名刺をいただけた場合も、翌日に丁寧な連絡を入れるなどのフォローアップをしましょう。

自分に合った方法で
仲間を増やしましょう

自分に合った方法で
仲間を増やしましょう

私の例だと、今は二番目のオンラインと三番目のオフラインに力を入れています。 二番目は勇気がいると思いますが、進んで発言することでイベントや講座が盛り上がることも多く、主催者や講師などの関係者にも、ともに受講している生徒さんにも、顔と名前を覚えてもらえているという実感があります。

そして三番目は、コロナ禍の間は難しかったのですが、少しずつリアルのイベントや講座も増えてきていますから、ぜひチャレンジしてみてください。私の場合、横のつながりのほとんどは、交流会や忘年会、講座やイベントなどのリアルの場で作ってきたといっても過言ではありません。

三つのパターンを組み合わせるのもいいですね。SNSでやり取りをはじめて、受けたい講座に誘って、後日復習がてらZoomで練習会をやり、リアルイベントへの参加も声掛けして、その当日初対面する、などという流れを作ることもできそうです。

横のつながりがあると、視野が広がったり、切磋琢磨して成長できたり、困った時に助け合えたり、フリーランスにとっては素晴らしい環境を整えていくことができるはずです。ぜひ仲間を増やしていってください。

もちろん皆さんにも得手不得手がありますし、ほかの方法もあるとは思いますが、一つの例として参考にしていただけると幸いです。

2022-10-27

著者プロフィール

千田歌秋(せんだ・かあき)

千田歌秋(せんだ・かあき)

占いカフェ&バー燦伍(さんご)のオーナー占い師であり、バーテンダー。飲食と占いの融合とホリスティックな癒しをテーマに、占い鑑定と開運メニューを提供。店舗経営と占い鑑定のほか、占い師の育成やマネジメント、占いイベントの企画監修も行うなど、様々な占い事業を展開している。
著書に「ビブリオマンシー 読むタロット占い」(日本文芸社)、「はじめてでも、いちばん深く占える タロットREADING BOOK」(学研プラス)がある。

HP https://khakisenda.wixsite.com/eranos

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