「マヤ暦占い」の魅力

いとしの推し占術

「マヤ暦占い」の魅力

解説:癒気七(ゆきな)

ある占術に対して深い知識と造詣を持つ方に、占術の特性や魅力を伝えていただく本企画。今回は、癒気七さんに「マヤ暦占い」について語っていただきました。

マヤ暦占いとは?

マヤ暦占いとは、古代マヤ文明の頃から存在するといわれる暦を用いて性格や運勢を読み解く占いです。

マヤ暦占いという言葉を要素分解すると、「マヤ」「暦」「占い」と分けられます。

「マヤ」はマヤ文明を指します。マヤ文明とは中南米に紀元前8000年から16世紀ごろまで続いた文明です。マヤの人々は、過酷な環境に置かれたにもかかわらず、高い科学力を持ち、天文学や数学に長けていました。

次に「暦」つまりはカレンダーです。私たちが日常的に使うカレンダーは、約365日周期のグレゴリオ暦の1種類ですが、マヤ文明のカレンダー、すなわちマヤ暦は10数種類存在し、用途によって使い分けられていたと考えられています。最も短いサイクルでは9日周期、最も長いサイクルは約5125年で一周する暦を用いていたのだそうです。

そして「占い」。そのマヤ暦の中に、儀式や占いに特化していたとされる260日周期の暦があります。それをツォルキンと呼び、このツォルキンを中心に数種類の暦を使い分けて占いをすること、もしくはツォルキンを専門的に扱う占いを「マヤ暦占い」と言います

2000年代に入った頃に、オカルティストでマヤ暦占いの研究者であるホゼ・アグエイアスが来日し、日本国内でマヤ暦占いの術者が増えましたが、市民権を得るほど流行はしませんでした。

東洋占い、西洋占いという分類がありますが、そのどちらにも属さないマヤ暦占いは確かに異質な存在のようにも思われますね。

どうやって占うの?

マヤ暦占いは、誕生日から個人の性格や性質を読んだり、相性を占ったりすることができます。さらに一般的な命術と同様に、日運や週運を占ったり、転機となるタイミングを読んだりすることも可能です。

では、ツォルキンに絞って基礎的な占い方を紹介していきましょう。 ツォルキンには20の紋章という概念があります 。20の紋章には「赤い竜」「白い風」「青い夜」「黄色い種」などがあり、4つの色が紐付けされているのが特徴です。

それぞれに個性やニュアンスを含んでいるため、例えば赤い竜ならシングルタスクな情熱家、白い風なら情報通だけど流されやすい、などと性格診断に用いることができます。占星術の12星座に近い概念だと言えるでしょう。

占う際にはまず、「太陽の紋章」と「ウェイブスペル」という概念に注目します。太陽の紋章は顕在意識を、ウェイブスペルは潜在意識をあらわし、それぞれに20の紋章が割り当てられます。

さらに「銀河の音」も重要な要素です。1~13の数字に分かれており、太陽の紋章とウェイブスペルの組み合わせによって決定します。これら3つの要素から解釈をしていきます。

太陽の紋章、ウェイブスペル、銀河の音、この3つのシンボルが含まれるツォルキン上の1日をKIN(キン)と呼びます。

実際に偉人をマヤ暦占いで解釈してみましょう

江戸川乱歩
1894年10月21日生まれ


彼の生年月日をツォルキンに直します。

KIN:236
太陽の紋章:黄色い戦士
ウェイブスペル:青い鷲
銀河の音:2


というツォルキン上の誕生日を算出できました。

さて、江戸川乱歩と言えば、難解なミステリー小説を創作する天才という印象がありますが、これはウェイブスペル「青い鷲」、銀河の音「2」という性質からそれぞれ説明できそうです。

青い鷲は、高い客観性と論理力、頭脳の処理能力の高さが特性としてあらわれやすく、音2はさらに客観的な分析に磨きがかかります。

また、太陽の紋章「黄色い戦士」の性質としては刺激的な嗜好を好む特徴がありますが、乱歩はその作品からも偏愛を描いたり、自身も偏愛的で一般には理解が得難い恋愛的趣向があったりしたと言われています。

このように、マヤ暦占いでは納得感が高く奥行きのある性格診断が可能です。ここにお見せした例以上に深掘りすることもできます。それらがたった3つのシンボルから構成されていると考えると、驚くべき占術と言えるのかもしれませんね。

まだメジャーな技法ではありませんが、さらにツォルキン以外の暦も併用することでより深いリーディングも可能になります。

推しポイント

スピーディーな鑑定にも最適!実用性に長けた占術である

マヤ暦占いの魅力は本当にたくさんあって語り尽くせないくらいなのですが、その中から厳選した2つのポイントを紹介したいと思います。

1つ目の魅力は、実用性に長けることでしょう。

マヤ暦占いは、出生時間の情報が必要ありません。さらには2つの紋章と銀河の音の3つの象徴を読むだけでかなり深いリーディングが可能になります。

私自身、最初は西洋占星術を用いて、電話占いや対面占いをしていたのですが、リーディングの速度が上がらずに苦労していました。しかし、現在、非常にスピーディーな鑑定が実現できている背景には、マヤ暦占いが大きく貢献しているように感じます。慣れると数秒程度で鑑定方針を立てられるのは大きな魅力ではないでしょうか。

また、あくまで扱うのは暦です。カレンダーや手帳のような感覚で、ツォルキンを眺めながら予定を立てるのが私の習慣になっています。

例えば、先ほど例に挙げた青い鷲のシーズンは、「思考と客観性に長けた時期になるので仕事の見通しを立てたり振り返ったりする期間にしよう。今取り組んでいることに役立ちそうな本はこの時期に読もう」という具合にスケジューリングに役立てています。非常に実用的ですよね。

推しポイント

謎に包まれた古代の占術を探求するロマン

2つ目の魅力は、ロマンです。

マヤ文明には、いまだに解明されていないことが非常に多いのです。それは、マヤ文明がスペイン人によって植民地化され、滅ぼされたという過程で文献をほぼ全て焼かれてしまい、残った文献がたった3冊だけである、ということに起因しています。

それゆえ、マヤ暦占いには、まだ隠された技法があるかもしれませんし、マヤ暦占いを学ぶあなたがそれを発見する立場になる可能性もゼロではないでしょう。

東洋にも西洋にも分類されない独立した占いの体系、ひときわ異彩を放つマヤ文明に隠された神秘、紀元前数千年から続く太古の暦・マヤ暦を現代においても活用するロマン。

もしあなたが、これらのどれかひとつにでも魅力を感じたなら、マヤ暦占いの世界に触れてみてほしいと思います。

癒気七

マヤ暦占いとは、古代マヤ文明の頃から存在するといわれる暦を用いて性格や運勢を読み解く占いです。たった3つのシンボルで奥行きの深いリーディングを可能とするため、スピーディな鑑定に最適と言えます。

こんなテーマを占うのに向いています。

  • 「自分はどんな強みを持っている?」
  • 「あの人はどんな恋愛傾向がある?」
  • 「自分とあの人との相性は?」
  • 「出会いの時期は?」

こんな方におすすめです。

  • 占星術や四柱推命に挫折した方(東洋にも西洋にもハマらなかったという方でも、マヤにはハマるかもしれません)
  • 実践でスピード鑑定を求められる方
  • 発展途上の占いの研究に興味がある方

著者プロフィール

癒気七(ゆきな)

癒気七(ゆきな)

旅する占い師。早稲田大学占い研究会。17歳で占い師デビュー。マヤ暦をメインにタロット、占星術を駆使して鑑定を行う。ツイッタースペースで「ツォルキンラジオ」を配信。マヤ暦占い講師としても活動。

HP:https://lit.link/yukinauranai

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