
6月21日夏至の日に開催されたオンラインイベント「占いギャザリング2022」。 『占いNEW NORMAL』をテーマに、占いをなりわいとする方々と異業種の専門家がさまざまなテーマで語り合いました。今回は、全10セッションの各内容を少しだけご紹介します。
「占いギャザリング」 レポート
男だから、女だから…占いの性差問題 「こうあるべき」から自由になろう
- 清田隆之(文筆業・桃山商事)
- 暮れの酉(占術家)
恋愛相談に携わる清田隆之さんと、占い師の暮れの酉さんが「ジェンダーバイアス」について語り合いました。
男だから、女だからこうあるべきという偏見は今なお存在します。2人のもとに相談に訪れる人の中にも、こうした考えにとらわれている人はいるそうです。自分の中の無自覚な思い込みや偏見のせいで、恋愛や結婚生活に支障が出ているケースが多いことに2人は警鐘を鳴らしています。
多くの人の心に潜むジェンダーバイアスの弊害を自覚させてくれる存在が、今求められているといいます。恋愛相談家や占い師こそが、まさにそうした存在になり得るのではないでしょうか。では、どうすれば相談者のジェンダーバイアスを外せるのでしょう? 今回のセッションでそのヒントが明かされます。明日から鑑定現場で活かせる実践的なお話は一度聞いてみて損はありません。
(文=紅たき)
プロならば知っておきたい 占い師のための精神医学入門
- 春日武彦(精神科医)
- 千田歌秋(占いカフェ&バー燦伍オーナー占い師)
精神科医の春日武彦さんをお招きし、占い師が直面しがちな精神疾患について現役占い師の千田歌秋さんと、たっぷりと語っていただきました。
タイトルには「入門」とありますが、トークの中身は「今日から使える」超実用的なものばかり。精神科医・カウンセラー・占い師の相違点から始まり、占い師が目にしがちな精神疾患の種類や疾患ごとの具体的な対処法などなど。
特に「パーソナリティー障害」の方の特徴やその対処法は、必見です! 「占いと精神医療の共存」を目指す2人のトークは、占いをお仕事にしたいと考えている方にとって「一度は聞いて損のない」40分となるはず。メモを取る手を止められない、永久保存版にしたい。そんな貴重なセッションです。
他者と世界をどう見つめるのか? 占い×まなざしのデザイン
- ハナムラチカヒロ(ランドスケープアーティスト)
- SUGAR(占星術研究家)
ハナムラチカヒロさんが提唱する「まなざしのデザイン」は、同じ風景や建物を見ても、その人の心のありようによって見え方はさまざまに変わるということが核になっています。SUGARさんによると、占いにもまったく同じ側面があるのだそうです。
現代社会において、私たちのまなざしは多くのバイアスにより、くもらされ誘導されています。そうやって固定化されたまなざしを解除するために、常識の外側から物事を考えようとすることがまなざしのデザインの基本であり、占いが目指すべき立ち位置なのだとか。
このセッションには、今生きづらいと感じている人々の悩みを解決するヒントがあふれています。コロナ禍、デジタル化など、さまざまに揺らいでいる世の中に、何らかの危機感を持つ人は多いでしょう。現代を生きるために大切なことは何か、2人の見解に深く考えさせられます。
(文=紅たき)
北半球と南半球では占い方がちがう? 占術を現代にアップデートする
- 黒門(風水師)
- オッティモちゃん(占い天使)
- 横山幸太(早稲田大学 占いサークル代表)
時代の変化に合わせて占いをどうアップデートするべきか? をテーマに、占い師歴50年以上、東洋占術を知り尽くした黒門さんが、横山幸太さんとオッティモちゃんの疑問に答えました。
同じ占星術でも、吉凶はその国の文化で違ってくると言う黒門さん。インド、中国、日本、それぞれの占星術の特徴や考え方の違いについて、詳しく解説してくれました。
また、黒門さんは、時代背景も社会制度もどんどん変わっているから、それに合わせて占いも変わる必要があるという見解を示しました。「北半球と南半球に生まれた人では、どう占い分けたらいいのか?」そんな質問から話が広がり、恋愛、結婚、ベッドイン、同棲などを国や時代を考慮して占う方法を探っていきます。黒門さんの鑑定経験に基づく考察や占い界に存在するさまざまな説はどれも興味深いものばかりです。
(文=紅たき)
プロならば知っておきたい 占い師のための法律入門
- 高橋知典(レイ法律事務所)
- 浅井耀介(レイ法律事務所)
- 明蘭(Z世代の占いインフルエンサー)
占い師が知っておきたい法律の知識について、弁護士の髙橋知典さん、浅井耀介さんに明蘭さんがお話を聞きました。
たとえば、霊感商法。占い師に詐欺をしようという意識がなくても、霊感商法だと思われてしまうリスクはゼロではありません。知らないうちにお客様に訴えられてしまったなんてケースを避けるためにも、占い師が法律を理解しておくのは重要なことなのです。また、誰かからSNSに誹謗中傷を書き込まれたら? 占い師が企業と契約する際に気をつけることはあるか? などなど、明蘭さんの問いにテキパキ答えていく2人。さて、その答えは?
このセッションが気づかせてくれるのは、占い師にとって弁護士の力を借りたほうがいいケースは意外と多いということです。個人事業主として活動する占い師の方々は、自分の身を守る術をぜひ知っておくべきでしょう。
(文=紅たき)