ほかの占いも学びたい… サブ占術を選ぶときのヒント

――占いをなりわいにしている人が抱える悩みや不安。1人で考えても解決しないことも多いでしょう。これまで多くの占い師の相談にのってきた、占いカフェ&バー「燦伍(さんご)」のオーナー占い師である千田歌秋さんが、あなたのお悩みにお答えします!

第12回

ほかの占いも学びたい…
サブ占術を選ぶときのヒント

「メインでやっている占いがあるのですが、ほかの占いも学びたいです。占術を選ぶときのヒントは?」

どの占術を選ぶか。これは占い師にとって最も重要な問題のひとつです。

あなたがプロの占い師として活動していくという前提で、占術選びの三つのポイントを述べていきたいと思います。

メインの占術だけでなく、
サブ占術を学ぶべき
理由は?

メインの占術だけでなく、
サブ占術を学ぶべき理由は?

かつては、師匠にノウハウを叩き込んでもらい、いくつかの占術をマスターしてからデビューする、というのが一般的でした。現在は、師匠の紹介がなくても、あるいは初学者の段階でも、出品サイトなどから占いの仕事ができるため、最初に学んだ占術でまずデビューする方も多いかと思います。

その場合、仕事をしているうちに、「メインの占術だけでは限界があり、お客様の要望に応えられないケースがあるため、別の占術もマスターしたい」と考えるようになるでしょう。

なぜなら、どの占術においても必ず対応できない分野があるからです。例えば、生年月日から占断する命術(四柱推命や西洋占星術など)だけでは、お客様に「今起こすべき具体的なアクション」は提示しにくくなります。一方、偶然性を介在させる卜術(易やタロットなど)だけでは、長期的な運勢を出すのは困難ですし、手相や人相の相術だけでは、その場にいない人のことはわかりません。

プロとして活動を続けるなら、命術、卜術、相術、それぞれ一つずつは網羅しておくのが理想的ですね

ポイント1 
自分の占いのバックボーンを定める

ポイント1 
自分の占いのバックボーンを定める

ではまず、 占術選びの一つ目のポイントから。

あなたがメインにしている占術は何でしょうか。易や四柱推命など東洋の占術であるなら同じ東洋系で、タロットや西洋占星術など西洋の占術であるなら同じ西洋系で、占術を揃えたほうが自然です。

占術を習得する際にはまず、古い中国思想やヨーロッパの思想を学ぶことで基盤を作っていくわけですが、両方の思想を同時に深めていくのには膨大な時間と労力がかかります。洋の東西を問わずどちらの占術も究めていきたいなら、充分な占術研究の経験を積んでからでないと、中途半端なものになってしまうはずです。

まずは東洋もしくは西洋のいずれかを決めて、自分の占いのバックボーンを定めることをおすすめします。しっかりとした思想哲学的基盤の上に、東洋あるいは西洋の命術、卜術、相術の柱を立てていくイメージを持つといいですね。

もしあなたが、東洋占か西洋占かで迷っている段階なら、東洋の古典(四書五経、三国志や水滸伝など)と西洋の古典(ギリシア神話、プラトンやアリストテレスなど)を読んでみて、あなたがその世界観に馴染めるほうを選んでみてください。

ポイント2 
あなたが目指す占いの仕事に合っているか?

ポイント2 
あなたが目指す占いの仕事に合っているか?

そして、二つ目のポイントです。

東洋と西洋のバックボーンを定めることと同じくらい大事なことは、あなたが今後どのような占いの仕事をしていくか、を想定しておくことです。

占いの仕事は、鑑定、原稿、講師など、数多くの種類があります。同じ鑑定でも、対面、イベント、メール、チャット、電話、ビデオなどさまざまな方法があり、同じ原稿でも、ウェブコラム、雑誌連載、書籍など、いくつものタイプがあります。

対面鑑定やビデオ鑑定なら、筮竹やカードなど見た目にインパクトのある卜術や、実際に手や顔を見る相術がいいでしょう。メール鑑定は、リアルタイムではないので、命術でじっくり占えるという利点があります。チャット鑑定は、スピード勝負なので、一枚引きのできるタロットやルーンなど時間のかからない卜術が向いています。電話鑑定は、聴覚情報だけになるので、カードやダイスなど音などがするものがよさそうです。

原稿の仕事を中心にするのであれば、西洋占星術がマストになるでしょう。それだけ西洋占星術の記事が多いということです。ただ、珍しい占術を究めれば、その分野ではライバルが少ないので、依頼が来る可能性が上がるかもしれません。講師の仕事を積極的にしたい人も、タロットのように教える人が多い占術で生き残ろうとするより、競合の少ない占術を狙うという戦略もありでしょう。

ポイント3 
その占術の沼に飛び込めるか?

ポイント3 
その占術の沼に飛び込めるか?

最後に、三つ目のポイントです。

それは、のめり込むことができる占術を選ぶということです。占いの勉強は生涯続きます。占術をマスターしようとすると、必ずその奥深さにたじろぎ、沼に飛び込んでいくような覚悟が必要になるでしょう。興味が尽きず、探究の日々が苦にならない占術が見つかると、あなたはその追究を通じて、占い師としての深みを増していくことになるはずです。

専業の占い師なら二つ目のポイントが大事ですし、長く仕事を続けていきたいなら三つ目のポイントが重要になります。一つ目のポイントは原則ですので、場合によっては二つ目、三つ目を優先して、東洋と西洋バラバラの占術を選んでもいいでしょう。

2022-06-30

著者プロフィール

千田歌秋(せんだ・かあき)

千田歌秋(せんだ・かあき)

占いカフェ&バー燦伍(さんご)のオーナー占い師であり、バーテンダー。飲食と占いの融合とホリスティックな癒しをテーマに、占い鑑定と開運メニューを提供。店舗経営と占い鑑定のほか、占い師の育成やマネジメント、占いイベントの企画監修も行うなど、様々な占い事業を展開している。
著書に「ビブリオマンシー 読むタロット占い」(日本文芸社)、「はじめてでも、いちばん深く占える タロットREADING BOOK」(学研プラス)がある。

HP https://khakisenda.wixsite.com/eranos

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