本業と占い師の両立に苦戦。 スケジュール管理のコツは?

――占いをなりわいにしている人が抱える悩みや不安。1人で考えても解決しないことも多いでしょう。これまで多くの占い師の相談にのってきた、占いカフェ&バー「燦伍(さんご)」のオーナー占い師である千田歌秋さんが、あなたのお悩みにお答えします!

第11回

本業と占い師の両立に苦戦。
スケジュール管理のコツは?

「仕事の終業後や休日に電話占いと対面鑑定を始めましたが、スケジュール調整が難しいです。プライベートの時間が大幅に減り、ストレスが溜まっています。両立のコツはありますか?」

フリーの占い師として活動するにあたって、大切にしなければならないことはたくさんあります。

占いの知識や技術の習得はもちろんのこと、ブランディング、宣伝、集客、SNS、顧客とのやりとり、お金の管理……ほかにもいろいろありますよね。

その中で、意外と軽視されがちなのがスケジュールの管理ではないでしょうか。

兼業占い師が
見落としがちな
「鑑定以外の
業務時間」

兼業占い師が見落としがちな
「鑑定以外の業務時間」

個人で占いの仕事を始めた人が痛感することとして、占い鑑定以外の業務にも多くの時間がかかることが挙げられます。

集客から決済、場所の確保や連絡まで、すべて一人で行うことになるので、たった1時間の対面鑑定のために、何日にもわたって連絡のやりとりや準備をしたりと、かなりの時間を費やすことになります。

また、本業が忙しくて時間の余裕が少ない時期だと「顧客とのやりとりに多くの時間を割いたにもかかわらず、結局予定が合わず仕事にならなかった」というケースも出てくるでしょう。

せっかく予定を開けていても、仕事の依頼がまったく来ないことも少なくありません。営業時間のうちにしめる実働時間は、かなり短くなることを想定しておく必要があります。

「空いている時間なら
受付OK」
に潜むリスク

「空いている時間なら受付OK」
に潜むリスク

こうしてみると、特に副業や兼業で占いの仕事を始めた人にとって、時間の管理は最重要課題であることがわかります。「限られた中でいかに時間を有効に使うか」というタイムマネジメントの意識をしっかり持たなければ、占い師の仕事は成り立たないといっても過言ではありません。

企業に雇用されている会社員と違い、フリーランスの場合は拘束時間がないので、営業時間や仕事時間を自由に決めることができます。ですから、「平日の本業後、帰宅後2時間だけ電話占いをする」「土日休みのうち、土曜だけ占いの仕事をする」など、あなたのライフスタイルに合わせて決めてください。

ただし、「空いている時間ならいつでも依頼を受け付ける」というのはやめた方がいいでしょう。

依頼可能な時間帯を長くすればするほど、仕事が入りやすくなるので、仕事を増やしたいフリーランスや、駆け出しの時期はこれをやってしまいがちです。

しかし、それがあなたの首をしめることになります。

緊急依頼の電話が夜中にかかってきて、それを一度でも受けてしまうと、以降も深夜の依頼を受け付ける羽目になってしまいますし、休日に仕事依頼のチェックをする癖ができると、一年中仕事に追われることになってしまいます。

占いの営業時間をきちんと決めて、それ以外は対応しないようにしておくことはとても大事ですね。このオンオフの切り替えができず、なんとなくずっと仕事を受け付けるモードになってしまうと、心の余裕が失われ、精神的に追い詰められることになるでしょう。

プライベートの時間は
仕事よりも“先に”確保

プライベートの時間は
仕事よりも“先に”確保

では占いの営業時間は、どうやって決めたらいいでしょうか。

仕事のほかにも、あなたの人生にとって大事なことはたくさんあります。家事、育児、家族やパートナーと過ごす時間、趣味、勉強、友達と遊ぶ時間。そしてもちろん、食事、睡眠、運動、心身をメンテナンスする時間など。

一週間もしくは一か月のスケジュールを立てる際に、本業など決まっている仕事の時間に加え、こうしたプライベートの時間も、きちんと確保しましょう。そのうえで、占いの仕事に充てることができる時間を計算してみてください。

その時間が、現在のあなたの占い師としての営業可能時間となります。思ったよりも少ないことがわかるはずです。

これこそが、フリーランスならではのスケジュールの組み方の重要なポイントです。

つまり、先にプライベートの時間を確保しておくことで、仕事との両立をはかることができることになり、先に仕事の時間を確保しようとすると、プライベートとの両立が困難になるのです。

駆け出しだからこそ
短時間の営業でOK

駆け出しだからこそ
短時間の営業でOK

副業として占いの仕事を始めたばかりの人にとって、「占いの営業時間」は思っている以上に少なくなります。

その上、最初に述べた通り、仕事の依頼も簡単には入りませんので、「占いの実働時間」はさらに少なくなり、収入はあまり期待できません。

なので最初から一定の収入を目指すのではなく、ゼロからイチにするくらいのつもりで始めるといいでしょう。駆け出しの頃は緊張もしますから、それくらいでちょうどいいかもしれません。

慣れるまではストレスもかなりかかるので、プライベートでのストレス発散の時間を犠牲にするべきではないのです。また、占いの勉強は絶対に必要ですから、その時間も削ってはなりません

半年から一年ほど経って、占いの仕事に慣れてきたら、短い時間の中で効率よく仕事を増やす方法を考えてみましょう。その際に、もう少しプライベートタイムを減らしても大丈夫そうだと思ったら、少しだけ営業時間を増やしてみるといいですね。

「仕事も休みも自分で自由に決められ、必要なストレス発散と勉強の時間も確保できる」というのはフリーランスのメリットです。

しかし、やり方を間違えてしまうと「常に仕事ができる状態なので気が休まらず、ストレス発散や勉強の時間も確保できない」というデメリットになることもあります。そうならないように気をつけましょう。

2022-05-19

著者プロフィール

千田歌秋(せんだ・かあき)

千田歌秋(せんだ・かあき)

占いカフェ&バー燦伍(さんご)のオーナー占い師であり、バーテンダー。飲食と占いの融合とホリスティックな癒しをテーマに、占い鑑定と開運メニューを提供。店舗経営と占い鑑定のほか、占い師の育成やマネジメント、占いイベントの企画監修も行うなど、様々な占い事業を展開している。
著書に「ビブリオマンシー 読むタロット占い」(日本文芸社)、「はじめてでも、いちばん深く占える タロットREADING BOOK」(学研プラス)がある。

HP https://khakisenda.wixsite.com/eranos

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