ある占術に対して深い知識と造形を持つ方に、占術の特性や魅力を伝えていただく本企画。今回はまーささんに「トランプ占い」について語っていただきました。

トランプは「どこにでもあるもの」なので、占いたくなったらいつでもどこでも占えるという利点があります。

今は愛用のトランプでしか占いませんが、トランプ占いを始めたころは行く先々にトランプを置いておき、気になることがあったら、いつでもどこでもコッソリ占っていました。1枚引きなら、引き出しの中でサッと占うことも可能ですからね。

出先で「これについて今すぐ知りたい！」と思ったときでも、トランプならコンビニなどでも買えるので、購入後その場ですぐに占えます。

シンプルで納得しやすい回答が得られる

魅力的なオラクルカードはさまざまありますが、トランプはそのシンプルさゆえ、返してくれる回答に回りくどさがなく、はっきりとしていてわかりやすいのです。

たとえば片思いで悩んでいる人が「これからどうしたらいいんでしょうか……」などとあいまいにたずねた場合、以下のような答えが返ってきます。

「スペードのA」（今思っている“それ”を、やりなさい！）

もしくは

「スペードの10」（行動を起こして現状を変えないとね。今のままじゃダメ）

また、悩みを抱えているときは「何をすべきかわかっているけど、不安からそれを直視したくなくて、カードに聞いてしまう」こともありますよね。

そんなときには「あなたがいまするべき事柄について自覚していることを、こちらもわかっていますよ」と言われたり、「心配ないって！（うまくいくよ♡）」と、背中を押してくれたりすることもありますよ。

いうなれば「頭のきれる人と話していて、一言で納得させられてしまう感じ」に近いかな。なので、回答を受け止める側も「ダラダラ悩む必要はない」と、しっかり納得して前に進むことができるんです。

いったん回答に納得した上で、さらに知りたいことがあるなら、カードを引いて追及することもできますよ。もしカードが「これ以上は現状を知る必要はない」と判断した場合は「ハイ、終わり」といった回答が出るので、止めどきもわかりやすい。はっきりしていて、クールだな…と思わされる占いなんです。

西洋占星術との併用でアドバイスが多様に

私は普段から西洋占星術で星を読んでいることもあり、「今はこういう星回りで、こういう時期」というのを把握しています。その上で、トランプ占いで同じ時期について占ったらどうなるのかと、実験的に試してみたことがありました。

複数の占いを使って同じ人や物事について占った場合、基本的には同じ方向性の結果が出るはずです。

しかし、西洋占星術で「今は節目で、ショックな展開があり得る」という結果が出た一方で、トランプ占いで「ちょっと休んで体力をつけたほうが良い」「親しい人とよく話したほうが良い」といった結果が出ることもあります。

トランプ占いの結果は「心身にダメージを受ける可能性があるので、それを受け止められるように備えたほうが良い」とも解釈できますよね。

要は両方とも「今後起こり得るネガティブな出来事」について示しているのですが、西洋占星術は「どんなことが起こるのか端的に説明」しており、トランプ占いは「どう過ごせば良いのか具体的に説明」してくれる、というわけです。

同じ局面でも、占術によって多様なアドバイスを受け取ることができます。