「奇門遁甲」の魅力

「奇門遁甲」の魅力 : 黒門

ある占術に対して深い知識と造形を持つ方に、占術の特性や魅力を伝えていただく本企画。今回は黒門さんに「奇門遁甲」について語っていただきました。

奇門遁甲(きもんとんこう)は、クライアントが抱える悩みに応じて、占いの分野を使い分けることができる占術です。

日本において奇門遁甲は、方位術として認識されていることが多く、良い日や方位を探すための占術 「択日」に属すると思っている方もいるようです。しかし、中国本来の奇門遁甲は命占、卜占そして良い日や方位を探すこともできる「推命」「卜占」「択日」のすべてができる総合占術

占いたい内容によって分野を使い分けられるので、目的達成のためにどうすればいいのか詳細に知りたいときに向いています。

さらに、相談された時間に合わせて悩みの原因を探ることも可能です。時間ごとの事象の変化を読みとったうえで、相談者の生年月日や悩みに合わせた解決法を導きます。

占う際に64もの方位を使うのも大きな特徴。ゆえに吉凶方位などをこと細かに読み解くことができるのです。

奇門遁甲の歴史

奇門遁甲はもともと兵法の一部として戦に勝つために生まれた占術で、一説によれば古代中国の伝説の王・黄帝が九天玄女(戦術と兵法を司る女神)に授けられたといわれています。

羅貫中の歴史小説『三国志演義』の中でも有名なエピソード「赤壁の戦い」では、孔明が奇門遁甲をもちいて季節はずれの東南風を吹かせたことで火攻めが成功し、大勝利をおさめたとつづられています。

推しポイント

奇門遁甲の魅力

奇門遁甲は人生に勝つための占術として活用されています。前述のように、戦に勝つための兵法として生まれた占術なので、人生の勝負やチャレンジに備えて、いつ、どこで、どんなふうに行動すれば勝ち残ることができるのか知るためのツールとして有効です。

奇門遁甲で使う盤は、その時間に世界中で起きているさまざまな事象を投影したもの。そこから、悩みの内容にもとづいて推命、卜占、択日、測局、風水に展開していきます。ひとつのロジックで、さまざまな応用ができるのもまた魅力といえます。

ロジックの完成度が高いために、ものごとを理論的に考える人や、直感性よりも合理性に重きを置く人に向いているでしょう。

奇門遁甲は作盤が複雑で習得が難しいともいわれています。ですが、現代ではアプリなどで瞬時に作盤できるため、その心配は不要です。

あとはリーディングさえできれば良いので、すぐれた師匠のもとでリーディングを学ぶことが習得への近道といえるでしょう。私の師匠は、明王朝の時代に奇門遁甲を活用していた劉伯温の子孫・劉広斌老師です。彼の23番目の正式弟子として、現代まで奇門遁甲を受け継いでいます。

黒門

奇門遁甲は複数の占い分野を使い分けることができる、高い汎用性を持った占術です。

開運占術としても優れており、吉方位への移動・移転のタイミングを判断し、自分に有利になる方位や時期を知ることができます。

さらに風水との併用で、開運アイテムの効果がもっとも出やすい「設置するタイミング」を把握したいときにも使えます。

物事を詳細に判断でき、開運効果も高いため、「運気を高めたい人」「事業の業績を伸ばしたい人」などに適しているといえるでしょう。

著者プロフィール

黒門(こくもん)

黒門(こくもん)

1958年生まれ。10代より奇門遁甲と風水をメインに、四柱推命、九星気学、六壬、断易等の各種占術を学ぶ。
2001年、韓国に渡り趙宰星先生に師事。2002年、中国河南省に渡り、劉伯温の22代目子孫である劉広斌師父の拝師弟子となる。2005年、日本テレビ系「情報最前線スーパーテレビ」に出演。現在は後進の指導育成にも力を注ぎ、多くのプロ風水師を育てている。
著書に「全伝 奇門遁甲」(東洋書院)、「増補改訂版 成功をつかむ究極方位 奇門遁甲」(説話社)、「基礎から学ぶ 風水の完全独習」(日本文芸社)等がある。

公式サイト https://kokumon.com

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