

ある占術に対して深い知識と造形を持つ方に、占術の特性や魅力を伝えていただく本企画。今回は桜野カレンさんに「ルノルマンカード」について語っていただきました。
ルノルマンカードとは「1枚のカードにひとつのシンボルが描かれており、組み合わせ次第でリーディングの世界が無限に広がる」占術です。

これは私がルノルマンカード講座を行う際に必ず最初にお伝えしていることであり、伊泉龍一さんとの共著『ルノルマンカードの世界』(駒草出版)の冒頭にもある言葉。
全部で36枚のカードに描かれているのは、どれも身近で誰もが知っているシンボルです。そのシンボルひとつひとつをつなぎ合わせて完成した物語をもとに占うという、豊かなストーリー性が特徴といえるでしょう。
ルノルマンカードの歴史

カードの名前にもなっている「ルノルマン」とは、18世紀から19世紀にかけて活躍した、フランスの女性占い師「マドモアゼル・ルノルマン」に由来しています。
多くの有名人や大富豪を顧客に抱えていたといわれており、皇帝ナポレオンの皇后ジョセフィーヌも彼女の顧客だったと彼女の回想録に書かれています。
ちなみに、ルノルマンカードは彼女が愛用していたカードではありません。彼女の死後、フランスの出版社が、カリスマ占い師だった彼女の名声にあやかって自社のカードを「ルノルマンカード」と名付けたのが本当のところです。
どうやって占うの?
ルノルマンカードには36枚のカードをすべて並べて占う「グランタブロー」というスプレッドがあります。
グランタブローとはフランス語で「大きな絵画」という意味。その人だけの物語が描かれている絵画を生み出すスプレッドと言えます。

グランタブローでは36枚のカードを4段に並べて、本人カードとなる「紳士」もしくは「淑女」を探し、キーとなるカードとの関係や周辺を読み解いていきます。
淑女と紳士は見つめあっている? 背を向けあっている?
すぐそばに寄り添っている? それとも離れ離れ……?
淑女と紳士の位置や向きは、ふたりの距離感や親密度を示しています。

2枚のカードがすぐそばで見つめあっていれば相思相愛、どちらかだけがもう一方のカードを見つめているなら片思い。お互い離れて背中を向けていればすれ違いが多いことを意味しているのです。
また、2枚の間に並んだカードはふたりの現状や今後、心が離れている原因やこれから起こり得る試練、その打開策などを表しています。
ルノルマンカードの魅力

ルノルマンカードはその人の過去、現在、未来はもちろん、愛する人や周りの人との関係性など、あらゆるものを絵画のように映し出してくれます。
その人にとっての「山」が待ち受けていたり、海を行く「船」が近づいてきたり、「騎士」や「紳士」との出会いを示したり……
その人だけの物語を読み解く作業は平面ではなく立体。リーディングをしていると、まるで自分が主役の飛び出す絵本のページをめくるような、ドキドキ感やワクワク感を味わえるのがルノルマンカードの魅力ではないでしょうか。
各カードには絵柄がひとつだけしかなく難しい解釈が必要ないので、カード占い初心者さんにもおすすめです。すでに他のカード占いを極めているベテランの方は感性で使いこなせると思います。

ルノルマンカードはさまざまなお悩みを占うことができますが、 中でも得意とするのは恋愛に関する内容です。
「今、彼は私のことをどう思っているの?」
「彼との関係がうまくいかないのはなぜ?」
「彼との結婚はいつ?」
「私のほかに恋のライバルはいるの?」
などなど。
各カードには絵柄がひとつだけしかなく難しい解釈が必要ないので、 こんな人におすすめです。
- これからカード占いにチャレンジしたい人
- 視覚的かつ感覚的に占いを楽しみたい人
- 悩みや迷いに的確なアドバイスが欲しい人
- 仕事や恋愛の行方を知りたい人
2022-01-30