「断易」の魅力

「断易」の魅力 解説 : 雨宮 零

断易は、非常に合理的な考え方に基づく東洋の卜術です。暮れの酉さんが東洋の命術である四柱推命について書かれていましたが、命術では、自分自身や気になる人がどんな人なのか、どんな運命をもっているのかを知ることができます。

でも「気になる人とうまくいくかな?」といった、具体的で直接的なことの成り行きを占いたいときは、卜術の出番です。たくさんある卜術のなかでも、特に明確な答えが出せる占いが断易です。

なお、易と名前のつく占いは他にもあり、有名なのは「周易」です。多くの人が「易」と聞いてイメージされる易は「周易」であり「断易」とは異なります。

断易の特徴は?

断易の大きな特徴としては、「吉凶がハッキリと出ること」「起こる時期をしっかりと言い当てること」です。占う内容にもよりますが、何月何日といった日付単位で答えを出すことも可能です。

周易について

ハッキリとした吉凶や日付を、現実的な判断材料として知りたいという相談者の方には、うってつけの占いです。

断易と鬼谷子(きこくし)

断易は、鬼の谷と呼ばれたところに住んでいたために、鬼谷子(きこくし)と呼ばれた人によって、中国の春秋戦国時代につくられたといわれています。

多くの弟子たちに断易を教えたあと、雲夢山(うんぼうざん)に入り姿を消した。そんな鬼谷子の逸話から、周易の「王侯修身(おうこうしゅうしん)の学」に対し、断易は「仙人の術」ともいわれています。

山について

日本では、足利学校(創建については諸説あり)という軍師の学校で断易を教えていたことから「軍師の易」とも呼ばれています。

理想論や感情論だけでは勝てない「戦」で活躍する軍師たちが使った占い。そう考えると、現実的な局面において、その真価を発揮する占術ということがおわかりいただけるでしょう。

どうやって占うの?

断易では、用神(ようじん)というものを設定します。これは主役となる(主眼を置く)事柄をさします。たとえば、「彼は私のことが好きですか?」であれば用神「彼」、「この仕事をして稼ぐことができますか?」であれば、お金のことが見たいので「お金」になります。

断易の占い方

この用神が、占った日や月の十二支などに「助けられているか、攻撃されているか」を調べます。八卦が書かれた八面体のサイコロを入れた、「神蓍」という道具や古銭などで、八卦や数を出します。八卦や数を出すものは何でも良いので、これでないと駄目というわけではありません。筮竹で出す人もいますし、その場で思いついた数でも占えます。古典的な方法では、古銭3枚を同時に投げることを6回繰り返して占います。

これらはすべて易神(えきしん…易の神様)からのお告げなのです。

身命占

そのなかに現れている力関係や状況、十二支同士の吉凶を踏まえて、占断を行います。

西洋占星術を勉強されている方でしたら、東洋占術の十二支の吉凶関係は、じつはとても馴染みやすいものです。たとえばオポジションは冲(ちゅう)、トラインは三合(さんごう)といった共通点などもあります。

推しポイント

断易の魅力

占いでは「」と「」の両方ができなくてはいけません。

断とは、「恋人が結婚を考えてくれているか?」に対しての、イエス・ノー。象とは「恋人に結婚を意識させるにはどうしたらいいか?」に対してのアドバイス等です。断と象、どちらかだけでは占いは成立しません。

断易は「断ずる易」という名前の通り、「断」に非常に強い占いです。現場や実践では重宝するでしょう。そして「断」だけではなく、「象」の部分もしっかり現れます。

「断」は数式のようにロジカルであり、想像力を駆使して「象」を読み取ることは、古文を解釈するような趣があります。

たとえば
「30歳までに何が何でも結婚したい…!今の彼にそれを望むのが無理ならば、別の人を探したいからハッキリ答えが知りたい!」 そんなふうに、現実的に物事を考えたい人には好まれるでしょう。

雨宮 零

断易は

  • 合理的に物事を考えることができる人
  • 漢字がかっこいい!と思える人

にとっては勉強しがいのある占術です。

必殺技のような語感のよい単語もたくさん出てきます。冲空即起(ちゅうくうそっき)、絶処逢生(ぜっしょほうせい)、物来就我(ぶつらいしゅうが)などなど。

そして

  • ハッキリとした結果や吉凶を知りたい人
  • 物事の起こる時期を知りたい人
  • 対処法を考えたり、物事を進める際の注意点として捉えたりすることができる人(たとえ結果が喜べるものでなかったとしても)

に向けての占術としてオススメです。

断易をわかりやく解説!

吉凶と時期が
ハッキリわかる断易

吉凶と時期がハッキリわかる断易

使える占術家が少なく、マイナーな占術といわれる断易。『吉凶と時期がハッキリわかる 断易』(説話社占い選書16/著者:雨宮 零、監修:大石眞行)は、その入門書であり、占い初心者、初学者、西洋系占術をされる方にも読んでいただけるよう「できるだけ読みやすく」を意識した1冊。記事を読んで、もっと断易について知りたい!と思った人はぜひチェックしてみてください。

吉凶と時期がハッキリわかる-断易-
説話社占い選書16-雨宮-零

雨宮零さんが西早稲田に
お店をオープン!

雨宮零さんが西早稲田にお店をオープン!

シーシャと占いを楽しむ「極楽満月」

シーシャと占いを楽しむ
「極楽満月」

シーシャと占いを楽しむ「極楽満月」

雨宮零さんが10月12日(火)、西早稲田に「シーシャ&占い処 極楽満月」をオープンしました。その名の通り、シーシャ(水たばこ)と占いを提供するお店。シーシャだけ、占いだけ、またその両方を楽しむことができます。雨宮零さんはもちろん、人気の占い師の先生たちが多数出演。詳しくは公式ホームページにて。

<店舗情報>

シーシャ&占い処 極楽満月

〒 169-0051 東京都 新宿区 西早稲田3-28-2 2階

西早稲田駅徒歩3分/​JR高田馬場駅徒歩7分

営業時間:13:00〜23:30

(新型コロナウイルスに関する行政当局からの情報を参考に随時検討。最新情報はHPにて確認をお願いいたします)

公式ホームページ

https://www.gokurakumangetsu.com/

著者プロフィール

雨宮零(アメミヤ レイ)

雨宮零(アメミヤ レイ)

断易、九星術、四柱推命、周易、宿曜占星術、タロットなど多数の占術を扱う。個人鑑定や講座・イベントの主催、「MyCalendar」や「BRUTUS.jp」などメディアでの執筆活動を行う。現在は東洋占術の大家・大石眞行氏に師事し、東洋占術について深く学修を続けている。著書に『吉凶と時期がハッキリわかる 断易 (説話社占い選書16)』。

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