「アゲ鑑定」をしないと納得しないお客様が多い…打開策は?

占いをなりわいにしている人が抱える悩みや不安。1人で考えても解決しないことも多いでしょう。これまで多くの占い師の相談にのってきた、占いカフェ&バー「燦伍(さんご)」のオーナー占い師である千田歌秋さんが、あなたのお悩みにお答えします。

第三回

「アゲ鑑定」をしないと
納得しないお客様が多い…
打開策は?

「アゲ鑑定」をしないと納得しないお客様が多く、応え続けるのが辛いです。売り上げに影響するので我慢していますが、この状況を脱する方法はあるのでしょうか?

占い業界では、相手の喜ぶことばかり伝える鑑定スタイルのことを、俗に「アゲ鑑定」と呼びます。

人間悩み苦しんでいる時は、誰しも希望のある言葉を聞きたいものです。悪い占い結果が出た場合、占い師は当然のフォローとして、その回避方法やより良い未来にするためのアドバイスもあわせて伝えます。

しかし、相談者が切羽詰まっているか、精神的にまいっている場合、占い結果を拒絶したり、フォローの言葉が耳に入らないほど落ち込んだりすることもありますよね。

そうなると、お金を払って占いを受け、悪い結果を聞いてさらに辛くなった、という状態で終わってしまいます。あるいは、感情的になった相談者が、その勢いで悪いレビューや口コミを書くこともあるでしょう。

そんなことがあると、占い師は、できるだけ感情を刺激しないように言葉を選び、悪い結果が出たとしても良い結果として伝える、その場しのぎの「アゲ鑑定」に終始することになります。これではストレスがたまりますよね。

依存するお客様に
依存しない占い師を目指す

依存するお客様に
依存しない占い師を目指す

にもかかわらず、占い師が不毛な「アゲ鑑定」を続けてしまうのは、アゲ鑑定で不安を解消し、また不安になったらアゲ鑑定を求めるという、依存タイプのお客様こそが、もっとも多くの売り上げをもたらすリピーターになるからです。

「アゲ鑑定」が辛いのなら、こうした依存タイプのお客様の依頼を受けないのが一番です。ただ、そうすると売り上げの激減や悪いレビューを覚悟する必要があり、依頼を受けない理由を占い会社に説明しなければならない場合もあります。収入の面で困ってしまう方もいるでしょう。しかしながら、依存してくるお客様に依存しない占い師を目指すのも、非常に重要なことです。このことは念頭に置いておきましょう。

「アゲ鑑定」が
辛くなるのはなぜ?

「アゲ鑑定」が
辛くなるのはなぜ?

実は、「アゲ鑑定」自体は悪いことではありません。お客様に喜んでもらうのがプロですから、鑑定をポジティブな方向に持っていくのは、むしろ推奨されることです。「アゲ鑑定」が辛くなってしまうケースは、お客様の顔色をうかがい、悪い結果を伝えられず、占い結果をゆがめてまでアゲているか、アゲることが前提になってもはや占いではなくなっている、という状態に起因しているのです。

では、どうしたら、依存タイプのお客様に対してもきちんと占いをしながら、しかも不毛な「アゲ鑑定」をしなくて済むようにできるのでしょうか。完璧な方法などありませんが、改善させることができるテクニックは二つあります。

不毛な「アゲ鑑定」を避ける
テクニック二つ

不毛な「アゲ鑑定」を避ける
テクニック二つ

一つは、質問内容を、ポジティブな結果が出やすいものに変えていく方法です。「あの人と復縁できますか?」という質問だと、悪い結果を伝えてがっかりさせる確率も高いですよね。これを、「あの人と復縁するために、今月中に私がやるべきこと」のような質問に誘導していくと、相談者が落ち込む結果になることは少なくなります。

ただ、相談者が聞きたいことにストレートに答えていないので、強引に誘導するとクレームになりやすいというリスクも。しっかり話を聞きながら、納得する質問の形を提案していくという、高いレベルのコミュニケーションスキルが必要になるでしょう。

あえて「サゲ」の状態を
作るテクニックも

あえて「サゲ」の状態を
作るテクニックも

もう一つは、悪い結果を伝える前に、あえて「サゲ」ておくやり方です。 「アゲ鑑定」ばかりしていると、相談者も麻痺してしまい、いくら良い言葉を伝えても次第に「アゲ鑑定」だと思わなくなってきます。そうなると、多少の「アゲ」では納得しなくなってくるものです。

そこで、一度「サゲ」の状態を作っておく必要があります。方法はいくつかありますが、険しい表情で頭を抱えるとか、「これは正直・・・」「厳しい言い方になってしまうのですが」と発言することなどが考えられます。相手にダメそうだというイメージを与えた後なら、多少悪い結果を伝えてもショックが少なくて済みますし、フォローの言葉によって安堵してくれるはずです。落差を有効に使った「アゲ鑑定」をすれば、気分を乗せることさえできるでしょう。

ただし、「サゲ」は、一歩間違えると「脅し」や「不安を煽る」ことにつながるので、絶対にそうならないよう、肝に銘じておかなければなりません。どちらも簡単な方法ではありませんが、不毛な「アゲ鑑定」を脱するヒントになるはずです。

悪い結果になりにくいような質問へとうまく誘導しながら、「アゲ」と「サゲ」をバランスよく使い、相対的な「アゲ鑑定」を駆使することで、悪い結果も伝えつつも、ポジティブな鑑定をするという形に近付けることができるでしょう。今日からさっそく意識してみてくださいね。

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著者プロフィール

千田歌秋(せんだ・かあき)

千田歌秋(せんだ・かあき)

占いカフェ&バー燦伍(さんご)のオーナー占い師であり、バーテンダー。飲食と占いの融合とホリスティックな癒しをテーマに、占い鑑定と開運メニューを提供。店舗経営と占い鑑定のほか、占い師の育成やマネジメント、占いイベントの企画監修も行うなど、様々な占い事業を展開している。
著書に「ビブリオマンシー 読むタロット占い」(日本文芸社)、「はじめてでも、いちばん深く占える タロットREADING BOOK」(学研プラス)がある。

HP https://khakisenda.wixsite.com/eranos

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k
k

わかりやすくて一気に読みまくりました!
ありがとうございます

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