お笑いライブが本のヒントに?

占い芸人、本を出す 第三回 お笑いライブが本のヒントに?
占い芸人・ますかた一真が本を出す! 何もかもはじめてだらけのなかで感じた、本を出すよろこび、不安、苦労など、ますかたさん自身がつづる出版日記をお届けします。

8月15日(日)

N水星×T水星 コンジャンクション

占いの本を出す人間の中で恐らく1番占いの本を読んでいない自負がある。何でも1番は素晴らしいことではある、という言葉はただの戯言だと切り捨て、出版に向けて知識という武器を増やしていこうと本を買い込んだ。

朝は読書、昼は執筆、夜は花火という夏にしてやろう。そう思いを固め、編集者の方との打ち合わせに向けて読み進める日々。しかし迎えた打ち合わせ当日、それはもう本当にびっくりするほど何も決まらなかった

まず、最近読んだ本で得た知識は思ったより定着していなかった。子供の頃、よく親に「若いうちは記憶力が良いから、年取って覚えが悪くなる前に勉強しておけ」と言われていたことを思い出した。1番脳の吸収率が良かった時期を、なぜ水木しげる先生の妖怪大図鑑に出ている妖怪の名前と出身地を暗記することに費やしてしまったのか・・・。

このままだと、うろ覚えの知識を出典元の本を読みながら書くという源氏物語の写本のような執筆の仕方になってしまう。そもそもそんなエクストリームな盗作が認められるはずもない。8月も半ばを過ぎたというのに、どんな内容を書けばいいのか暗礁に乗り上げてしまった

ちなみに、こうやって占いの媒体に記事を書いたりしていると、インテリジェンス溢れる聡明な知識人というイメージが強くなってしまう。それも致し方ないのだけれど、ぼくはお笑い芸人としての活動もしている。

占いのお仕事をさせて頂くようになってから、お笑いの舞台でも占いをネタにさせてもらっていて、この日も吉本の劇場でのライブだった。同期と先輩芸人を1組ずつ占うという内容で、ありがたいことにもう1年近くやらせて頂いている。

占いイメージライブの帰り道、歩道橋を歩いているときに見つけた12星座のパネル。

占いをネタにしたライブとはいえ、観ているお客様はもちろん、ぼく以外の芸人さんも占いに関しての知識は全くない。となるとシンプルさはもちろんのこと、伝わりやすい部分、1時間のライブ尺で楽しめる部分を抽出してお届けするのが最適ということになる。1年間やってきた中で、「属性」や「ハウスの偏り」という部分をお笑いの現場に例えたりしながら、なんとか伝えることはできてきたかなと思っている。

この日のライブも、やはり属性やハウスの偏りの説明は盛り上がった。やっぱりウケるのは気持ちがいい、そう思いながら家路につく途中で、ふと思った。

「これを本にすればいいじゃん」

ぼくなりに、ライブにおいて占った結果の中でここをピックアップすれば楽しんでもらえる、というフォーマットができた。それはライブのお客様はもちろん、占わせてもらっている芸人さんたちに対しても。

出版が決まるずっと前から試行錯誤してきたこと。これは急いでここ最近読んだ本よりもずっとぼくの身になっているし、そこでのノウハウは全部自分の言葉。そしてその言葉が向けられているのは、占いをほとんど知らない人たち。今まで気づかなかったのが不思議なくらい、占いをネタにしたお笑いライブはぼくが書こうとしている本と同じ方向性だった。

考えてみれば、出版というぼくの人生最強クラスの目標、言い換えるなら大ボスを相手に、昨日今日手に入れた技が通用するはずもない。じっくり練り上げてきた自分の慣れ親しんだ技、知識で戦うしかない。ライブ終わりの夜空を見上げながらそう思った。

ホロスコープ

この時の空の水星は、ちょうどぼくのホロスコープの水星とぴったり重なっていた。水星は知識やコミュニケーションを司る星。まさにぼくの知識がお笑いライブでのコミュニケーションによって刺激され、見直された瞬間だった。

方向性は固まった。あとは書くだけ。書くだけ・・・?

ホロスコープ

2021-9-2(毎月第一木曜日 19時更新予定)

著者プロフィール

ますかた一真(ますかた・かずま)

ますかた一真(ますかた・かずま)

占い芸人。2018年、株式会社ザッパラス主催の「占い芸人育成プロジェクト」で優勝。映画検定を持ち、運気を上げるラッキー映画をオススメする「映画占い」を考案。占い雑誌「マイカレンダー」(説話社)にてコラムを連載中。原宿の占い館「塔里木」にて対面鑑定中。

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