代表・中園康弘さんが語る「占い館バランガン」の裏側

対面鑑定、電話やチャット占い、テレビの今日の運勢、スマホ越しに見る占いコンテンツ、占い記事や占術の本……。さまざまな形で届けられる占いの裏側では、多くの人が働いています。わたしたちの目に触れる占いはどのようなプロセスを経てつくられるのか、その過程での工夫や苦労はどういったものなのか。占いの裏方仕事をお伝えします。

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「占い館バランガン」の裏側

今回は6月29日に移転オープンした占い館バランガン新宿店で、代表の中園康弘さんに占い館の世界や占い師に求められるものなどについて、お話を伺いました。

代表の中園康弘さん

バランガンは都内に4店舗を構える老舗占い館。移転オープンしたばかりの新宿店は海外ドラマに出てくるヨガスタジオのようにスタイリッシュで、緑いっぱいのエントランスに足を踏み入れるだけで気分が上がります。鑑定ブースは背丈ほどの防音壁で区切られているので、プライベートな空間を守りながらも開放感のある雰囲気です。

占いの館に
所属するメリット

バランガン写真

壁一面のアートが素晴らしいですね。

こだわりの絵なんですよ。全部、一枚一枚描いてもらっているんです。

今まで持っていた占い館のイメージとは全然違います。

占いに来られる敷居が下がってくれればと思い、明るくおしゃれな空間にしました。所属の占い師さんも、親を連れて来られるとよろこんでくれています。

バランガン写真

こんな好立地のおしゃれな場所で鑑定できるだけでもうれしいと思うのですが、占い館に所属するとどういうメリットがあるのでしょうか。

占い師さんが占いに専念できることです。われわれは占いができる環境を用意し、集客をします。予約手続きや受付作業、お金のやりとり、トラブル対応もすべてやります。それで報酬はお客様からいただく金額の50%です。

トラブル対応は占い師さん個人だと荷が重いですよね。

店を構えてスタッフがいるだけで一定の防御壁になります。ほとんどいないと思いますが、万が一暴れたり、ナンパ目的だったりしたら店側で対応できますし、一般的な考えと違うお客様への対処方法なども研修の時にお教えするようにしています。

バランスを欠いた依存を
起こさないために

お客様が占いにハマって、お店の前で出待ちするようなストーカー行為になってしまうという話を聞くのですが、そのあたりはいかがですか。

この業界、お客様をハマらせる・ハマらせないようにするみたいな議論ってよくあると思うんですね。でも占いの性質上、ハマる人はいます。100%こちらでコントロールすることはできませんから、できることをやるしかありません。例えば、うちではむやみに延長して儲けるようなスタイルを禁止しています。占い師ごとに値段を変えないとか、安心できる料金体系にしておくことも、実は重要だと思っています。

依存させないようにするということですか。

依存自体、悪いとは思わないです。アイドルに夢中になったり、夫や奥さんに頼りきったり、会社に依存していたり。みんなある程度何かに依存している。問題になるのはバランスを欠く依存です。

盲目的に依存してくるお客様を作らないということですね。

そうですね。うちはスタンダードコースが20分で3,300円、それで月4回きても13,200円です。たまにライブに行くとか、美容院でカットとカラーをするぐらいの金額で精神的に安定して整うのであれば問題ないと思っています。そういう意味でうちにいらっしゃるお客様でトラブルを起こす方はほとんどいません。お客様同士のコミュニティがあるんですよ。Twitterでバランガン垢を作って、お客様同士が交流されているようです。占い師さんたちも仲良いですよ。

占いの館は安全基地で
あってほしい

YouTubeチャンネルを見ても和気あいあいとした雰囲気が伝わってきますよね。

占い師さん同士の交流を禁止しているお店もありますが、うちは逆です。ここに来ればわかってくれるとか、ここに来れば応援してくれるとか、そういう安全基地を作っているんです。だからコミュニティを大切にしています。そこでお店とお客さんのエンゲージメントを強くしつつ、その代わりお店としては料金体系やサービスのしくみをフェアにやることを徹底しているんです。

つらいことがあった時に安心して駆け込める場所があるような感じですね。

ある意味では母親がわりですね。話を聞いて受け止めてくれる理想の母親に近いかもしれません。

占い師に必要なのは
役に立ちたい気持ち

バランガン写真

そうなると占い師さんは人生経験が豊富な方が良いのでしょうか。

そうでもないです。いくら経験豊富なベテランの方でも、その年代の事情が理解できなかったりすることもあるでしょうし経験が認知の歪みを招くこともあります。僕らがやっていることは占いをツールとした相談業務ですから、フラットに聞くことが一番大切だったりするんです。

伝えることよりも聞くことが大切?

占い師ですから占い結果を伝えることは基本ですが、どう伝えるかです。30%が占い、70%が共感や承認をお伝えするぐらいの意識でやらなきゃいけない。大事なのは占い師としてのマインドなんです。

バランガンで採用したいのは、どういうマインドの持ち主ですか。

まずはお客様のお役に立ちたいという気持ちです、どうすれば少し心が楽になるかなとか、安心してくれるかなとか、どうすれば笑顔で帰ってくれるかなとかそういったマインドを持っているかです。

また、認知能力というか、一定の客観性を持っていることが大前提です。よくあるのが、霊感があるという方に面接でいろいろと質問させていただくうちに、怒り出す方がいらっしゃるんですね。自分が信じているものを疑われたと感じて腹が立つのかもしれません。でも、その方の能力がどうかは別として、そもそも何を信じているかは人それぞれです。そういう視点を持ってないと良い占いはできないですね。

バランガン写真

占い師さんの考えを押し付けられるのも嫌ですものね。

信じるものはあってもいいのですが、それを布教してはいけない。信念が強すぎると、ミスリードにもつながります。かといって、お客様の話をうんうんと聞いているだけではつまらない。占いだからこそ切り込むことができるところや言い切れることがある。カウンセリングやコーチング、メンタリングの要素をうまく使いながら、お客様の求める鑑定を提供していければと考えています。

どういう占い師にポテンシャルを感じますか。

自分自身が「下に見られる」ことができる人です。例えば、モデルさんような外見の恋愛マスターみたいな人に自分のダメダメな恋愛を打ち明けたいとは思わないじゃないですか。恋愛は全然ダメですとか、離婚経験ありますっていう人に対しての方が話しやすかったりするものです。下に見られることができるっていうのは、自分の弱みをさらけ出せること。先生だからと、上から物を言う態度でいるとお客様が相談しづらくなってしまうんです。

占術をものすごく勉強しているとか、経歴が長いとかではないのですね。

面接で占いの経験値や知識力はあまり重要ではありません。占いをするのに必要なことはすべて研修でお教えします。まずは他の仕事をしていたとしても、ちゃんと仕事ができる人であること。われわれが目指す姿を理解し、納得してやってくれる人であることが重要ですね。

お客様が何を求めているのかを一番に考え、理想を追い求める中園さん。そのサステナブルな経営スタイルは占い業界の未来に明るい光を投げかけてくれているように思えました。

2021-08-22

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今回取材に伺った「新宿占い館バランガン」

カフェのような空間で鑑定ができる「新宿占い館バランガン」
場所は、東京都新宿区新宿3丁目28−15 Trn新宿ビル 5F
TEL 03-3353-8030
URL:
https://www.balangan.jp/

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ミキ
ミキ

おしゃれな内装ですね。

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