友達や仕事関係者からの「占って」 無料と有料をどう線引きしたらいいですか?

占いをなりわいにしている人が抱える悩みや不安。一人で考えても解決しないことも多いでしょう。これまで多くの占い師の相談にのってきた、占いカフェ&バー「燦伍(さんご)」のオーナー占い師である千田歌秋さんが、あなたのお悩みにお答えします。

第二回

知人からの「占って」
無料と有料の線引きは?

友達や仕事関係者からの「占って」にもやっとしながら無料で占っています。無料と有料の線引きをどう考えればいいですか?

フリーランスの占い師にとっての、無料と有料の違いは、占いをした時にお金をいただくかいただかないかであり、そう考えると単純なように見えます。しかし、実はもっと複雑な要素をはらんでいます。

お金をもらっても、実質マイナスの占いもあります。1,000円だけ頂戴して、何日もかかる細密占いを提供すれば、数万円の赤字ですよね。また、無料で占った後に、何万円もする高級ディナーをお礼としてご馳走してもらい、実質有料の鑑定になるケースもあります。

有料にするか無料にするかを決める場合、単純にお金をもらうか否かではなく、そういったお金以外の価値も加味した上で、検討した方がいいでしょう。

あなたの提供する占いに、相手が対価を払うつもりがあるかどうかが、無料と有料の線引きになりそうです。

対価なしで占うのはプロ失格

対価なしで占うのは
プロ失格

そもそもアマチュアとプロの違いは、占った時にお金をいただくかどうかですよね。これはつまり、プロとしてデビューしたら、無料で占うことができないということを意味します。もちろん、金銭はもらわなくても、お金以外の対価をいただくならば、実質は有料ということになります。
対価をもらわずに占いを提供してしまえば、プロ失格になってしまいます。お金をもらって占いを始めたら、自分はプロなので、顧客が支払う対価に見合う占いを提供する、という自覚を持ちましょう。

デビュー前の人が
無料で占う時の注意点

デビュー前の人が
無料で占う時の
注意点

現在アマチュアとして活動している人は、対価を求めず無料で占っても問題ありません。練習のため、勉強のため、名前を知ってもらうためなど、好きなように占ってください。ただし、対価を求めない場合は、お客様のためではなく、あくまでも自分のため占うこと。顧客が求める占いの価値を、プロと遜色のない占いで、しかも無料で提供をしてしまうと、価格破壊を起こすことになり、プロの人たちに迷惑をかけてしまいますから。もしあなたがアマチュアからプロへの移行期にあり、そろそろ顧客を想定したプロの占いを無料で提供していきたいという人は、次項に挙げるプロの心得を参考に、対価をもらうことを考えましょう。

友達に「占って」と
言われた場合の対処法

友達に「占って」と
言われた場合の
対処法

プロとして活動を始めると、当然プライベートの知人や友達から依頼を受けることもあります。タダで占ってと頼まれることも、仲が良いのでお金を取りにくいということもありますよね。そんな時は、依頼が来たタイミングで「プロの本格占いだから、安くはないよ」などと、堂々と言い切りましょう。そうすることで、あなたにプロ意識があることと、あなたの占いに価値があることが、相手に伝わりやすくなります。あとは関係性によって、有料にするのか、無料にするのかを決めてください。無料にする場合は、お茶をご馳走になるとか、1000文字以上のレポートを書いてもらうなど、必ず何らかの対価をいただきましょう。

仕事をくれそうな人から
依頼を受けた場合は?

仕事をくれそうな人から
依頼を
受けた場合は?

また、占い会社の人など、仕事をくれそうな相手から依頼があった場合はどうすればいいでしょうか。たとえば、占い館のオーディションにあなたが応募すると、無料で占う面接がありますよね。この場合、自分を売り込むという目的のために、価値を提供しなければなりませんから、無料で行って当然です。一方、あなたのサロンや所属する占い館に、業者がイベント仕事のスカウト目的で来ることもあります。この場合、あなたの価値を欲しがっているのは先方なので、ここはお支払いいただくのが筋でしょう。ほかには「うちのサイトで掲載して宣伝しますので、メール鑑定のサンプルを無料で送ってもらえませんか」というような依頼もあります。こういったギブ&テイクの提案は、あなたの価値と先方の価値が、一致する形で判断しましょう。サイトの閲覧数を尋ね、あなたの労力に見合う宣伝効果が見込めなければ、報酬やほかのメリットを出してもらえるよう交渉するべきです。

今回の悩みの「モヤっとする」感情は、

あなたの占いの価値を、相手が正当に評価していない

ことが要因になっています。あなたの占いに価値を見出さない相手に対しては、「どのような対価をいただけるのですか?」「私の占いの価値をあなたはそう見積もるのですね」などと、毅然とした対応をすることが大切です。

2021-08-19

著者プロフィール

千田歌秋(せんだ・かあき)

千田歌秋(せんだ・かあき)

占いカフェ&バー燦伍(さんご)のオーナー占い師であり、バーテンダー。飲食と占いの融合とホリスティックな癒しをテーマに、占い鑑定と開運メニューを提供。店舗経営と占い鑑定のほか、占い師の育成やマネジメント、占いイベントの企画監修も行うなど、様々な占い事業を展開している。
著書に「ビブリオマンシー 読むタロット占い」(日本文芸社)、「はじめてでも、いちばん深く占える タロットREADING BOOK」(学研プラス)がある。

HP https://khakisenda.wixsite.com/eranos

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